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退避望むアフガン人「私たちを安全な国に」

2021年8月28日 0:51

アフガニスタンの首都カブールの空港近くで、死傷者200人以上にのぼる爆発が起きました。現地の日本人らの退避のために派遣していた自衛隊の輸送機が、27日午後10時過ぎ、日本人1人を乗せて隣のパキスタンに到着しました。

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アフガニスタンの首都カブールの空港近くで、爆発は2回起きました。黒い袋のそばで、女性が泣き叫んでいました。包まれていたのは、家族の亡きがらだといいます。ケガ人が、次々と搬送され、中には子供もいました。周囲には白煙が立ち上っていました。

爆発のおよそ2時間前、空港周辺には、治安の悪化で国外へ退避を求める人たちが集まっていました。

爆発の目撃者
「現場には少なくとも400人から500人位はいた。爆発は非常に強力で、半分くらいの人が水路に吹き飛ばされた」

爆発でケガをした人
「落ちた水路の中から、唯一私だけ出てきた。ほかはみんな亡くなっていた」

ロイター通信などによりますと、これまでに85人が死亡し、140人がケガをしました。死者のうち、13人はアメリカ軍の兵士で少なくとも28人はタリバンだということです。

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このアフガニスタンに派遣されていた自衛隊機は、政府関係者によりますと、退避を希望する日本人1人を乗せ、隣のパキスタンに到着しました。共同通信の報道によりますと、退避したのは共同通信のカブール通信員を務める安井浩美さん(57)だといいます。

現地にはなお、数人の日本人が残っていますが、政府は、自衛隊員らをパキスタンまで撤退させる方針です。今後、アメリカ軍の撤退作業も始まり、空港周辺の安全確保がさらに難しくなることなどが理由です。

退避に向けた努力を続ける方針ですが、日本人や日本大使館などに勤めるアフガン人とその家族、およそ500人は、引き続き残される形となります。

zeroは、退避を望むアフガン人から話を聞くことができました。

退避を望むアフガン人
「爆発が起きて、市民がみんなバラバラに逃げていった。とても不安で外に出るのも怖くて、何が起きるかわからない。日本政府には、私たちをアフガンから安全な国に退避させてほしい」

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今回の爆発で、200人以上が死傷しました。犯行声明を出したのは、過激派組織「イスラム国」です。

「イスラム国」系通信社は、テロの実行犯だとする戦闘員の画像を公開しました。自爆用のベルトを着用し、アメリカ軍兵士の5メートル以内に近づいて、自爆したと主張しています。

「イスラム国」の狙いはどこにあるのでしょうか─。

アフガン情勢に詳しい慶応義塾大学・田中浩一郎教授
「アフガニスタン政府、そこに展開する外国軍だけでなく、アフガニスタンの市民、さらにはタリバンとも敵対関係にある。(治安悪化で)混乱しているカブール空港周辺の環境に乗じて、殺りくするのにちょうどいい機会を得たということで、攻撃を仕掛けたんだと思っています」

8月27日放送『news zero』より。