ノーベル平和賞“独裁政権”立ち向かう2人
今年のノーベル平和賞の受賞者が8日、発表され、独裁的な政権に立ち向かうフィリピンとロシアのジャーナリスト2人が選ばれました。
受賞が決まったのはフィリピンのマリア・レッサ氏と、ロシアの有名な独立系新聞の編集長を24年にわたってつとめたドミトリー・ムラトフ氏です。選考にあたったノルウェーのノーベル委員会は民主主義と永続的平和の前提である表現の自由を守ることに力を尽くしてきたなどと、受賞理由を説明しています。
フィリピンでの権力の乱用と暴力をあばくため、ネットメディアを立ち上げたマリア・レッサ氏は、多くの死者が出ているとしてドゥテルテ政権の麻薬撲滅作戦を批判してきました。レッサ氏は受賞について、「ノーベル委員会が、事実のない世界は真実と信頼のない世界だと実感したのだと思う」としています。
一方、ドミトリー・ムラトフ氏はロシアの独立系新聞の編集長をのべ24年にわたって務め、プーチン政権のもとでの汚職や警察による暴力不当逮捕などを告発してきました。ムラトフ氏は受賞について、「これまでに亡くなった所属のジャーナリストらに贈られたものだ」としています。