ノーベル平和賞 比と露のジャーナリストに
今年のノーベル平和賞の受賞者が発表され、独裁的な政権に立ち向かうフィリピンとロシアのジャーナリスト2人が選ばれました。
受賞が決まったのは、フィリピンのマリア・レッサ氏と、ロシアの有名な独立系新聞の編集長を24年にわたって務めた、ドミトリー・ムラトフ氏です。
選考にあたったノルウェーのノーベル委員会は、民主主義と永続的平和の前提である表現の自由を守ることに力を尽くしてきた、などと受賞理由を説明しています。
マリア・レッサ氏は、フィリピンでの権力の乱用と暴力をあばくため、調査報道を行うネットメディア「ラップラー」を立ち上げました。多くの死者が出ているとして、国際人権団体も懸念を示しているドゥテルテ政権の麻薬撲滅作戦を批判してきました。また、ソーシャルメディアがどのようにフェイクニュースを広め、世論をコントロールしているかを明らかにしました。
ノーベル委員会はレッサ氏について、「表現の自由を勇敢な態度で守ってきた」と、その功績をたたえています。
ドミトリー・ムラトフ氏は、ロシアの独立系新聞ノーバヤ・ガゼータの編集長を24年にわたって務め、プーチン政権のもとでの汚職や警察による暴力不当逮捕などを告発してきました。
ノーベル委員会は「6人の記者が殺害され、脅迫を受けても独立性を維持し、報道の自由を貫いた」と評価しました。