ダライ・ラマ14世、会見で中国指導者批判
チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が10日、日本外国特派員協会が開いた会見にオンライン参加し、中国の指導者はチベット族などの少数民族の独自文化の多様性を理解していないと批判しました。
ダライ・ラマ14世は10日、亡命先のインド北部・ダラムサラからオンラインで会見しました。この中で、チベット族やウイグル族への中国政府の弾圧を念頭に「視野の狭い中国共産党の指導者は、文化の多様性を理解していない」と批判しました。
ダライ・ラマ14世は、中国には多くの少数民族がおり、国名の通り「人民の共和国」となるべきとしつつ、現実には多数派の漢族の支配が強すぎると指摘しました。
一方、中国共産党の習近平総書記が来年の党大会で異例の3期目を目指すとみられることについて質問されましたが、コメントを避けました。中国との緊張が高まっている台湾についても、中台関係が「非常に敏感で、政治的な困難に関わりたくない」として、訪問するつもりはないと話しました。
ダライ・ラマ14世は2011年に亡命政府の政治的なポストから引退しており、政治的な発言を避けたとみられます。