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軍事侵攻2年 1年半ぶりの父親に「おじさんだれ?」 広島で続く“避難生活”

2024年2月24日 7:37
軍事侵攻2年 1年半ぶりの父親に「おじさんだれ?」 広島で続く“避難生活”

ロシアによる軍事侵攻から24日で2年になります。夫をウクライナに残し、広島で避難生活を続ける親子がいます。一時帰国し、1年半ぶりに父親と再会を果たした際、娘が口にしたのは、「おじさんだれ?」でした。

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「news zero」が訪ねたのは、ウクライナから広島・福山市に避難してきたアンナ・セメネンコさんです。

長引く戦闘。国連ウクライナ人権監視団によると去年11月時点で、ウクライナでは1万人を超える市民が犠牲になっています。なかでも戦闘の激しいハルキウから2022年6月、娘2人を連れて避難してきました。

アンナさん
「(ウクライナに)帰って普通の生活を送りたいです」

去年5月、私たちは広島でアンナさんたちを取材していました。

エヴァちゃん
「今のウクライナみたい」

長女のエヴァちゃんが、原爆ドームを故郷に重ねる場面もありました。あれから9か月。小学1年生になった6歳のエヴァちゃん。ハルキウの小学校の授業をオンラインで受けていました。

この日の授業は「音楽」。オンラインで繋がる先生たちとダンスを踊る場面も見られました。

――勉強好き?

エヴァちゃん
「すごくではないけどね」

アンナさんは、この9か月の間に大きな決断をしました。

アンナさん
「とにかく(ウクライナに)帰りたかったんです」

まだ戦況が変わらぬなか、去年11月、「夫に会いたい」と故郷ハルキウに一時帰国しました。

アンナさん
「子どもたちをパパに会わせたかった。私たちにもパパがいると証明したかった」

およそ1年半ぶりの父親の姿。ただ、二女のソフィアちゃん(3)は…

アンナさん
「ソフィアは『おじさんだれ?』と言ってそれがパパだと全くわからなくて、この人は誰なのか、なぜここにいるのか理解できない様子でした。(ハルキウの)危険な状況もあったので12月に日本に戻りました」

父親の顔も忘れてしまうほど長引く軍事侵攻。24日で2年になるのを前に、アンナさんの思いを聞きました。

アンナさん
「私たちの人生を奪われた気持ちです。こちらの安全な場所で家族離ればなれか、それとも危険な街に戻って家族で暮らすか選択しなければいけません。ウクライナの破壊をやめてほしいと願うばかりです」

(2月23日放送『news zero』より)

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