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“史上最大級”竜巻 下敷きの女性が語る

2021年12月13日 19:07

アメリカ中西部など6つの州を同時多発的に襲った“史上最大級”とされる竜巻。懸命の救出活動が続けられています。被害の大きかった工場で下敷きとなった女性が取材に応じ、救出されるまでの一部始終を語りました。



アメリカ・ケンタッキー州、12日。街の姿は一変していました。

記者
「こうして住宅が軒並み倒壊してしまっています。家の中にある服やベッドがむき出しとなっていて、ここで生活していた人の暮らしが一瞬にして奪われたことが分かります」

がれきの前で途方にくれる男性。そこにレストランがあったといいます。

店主
「元通りになるかわからない。どうすればいいかわからない」

いまだ全貌が分かっていない「竜巻被害」。

“史上最大級”とされる竜巻は、アメリカの6つの州を同時多発的に襲いました。

報告された竜巻は30以上あり、ケンタッキー州では、ろうそく工場が、がれきの山になりました。当時、工場には110人ほどの従業員がいて、多くの人が閉じ込められました。

ろうそく工場に閉じ込められた女性
「私たちは竜巻で、ここに閉じ込められています」

暗闇の工場内に同僚らとともに閉じ込められたのです。

ろうそく工場に閉じ込められた女性
「足がすごく痛い。水がほしい」

女性は、SNSのライブ配信で助けを求めました。

ろうそく工場に閉じ込められた女性
「お願いです、助けてください。ろうそく工場にいます。がれきの下敷きになっています」

閉じ込められてから2時間後、女性は地元の救助隊などに救助されたということです。

ろうそく工場を、一瞬で無残な姿にした竜巻。

ロバータさん(39)
「もう二度と家族に会えないと思った」

39歳のロバータさんも工場内に閉じ込められ、電話で夫に助けを求め救出されました。

ロバータさん(39)
「彼は私のヒーローよ」




甚大な被害をもたらした竜巻。なぜ、6つの州で同時多発的に発生したのでしょうか。

竜巻に詳しい防衛大学 小林文明教授
「(竜巻がよく起こる)春先と条件が重なったことがひとつの原因」

実は、竜巻が起きた日は冬にもかかわらず、最高気温が平年より14℃ほど高い地域もありました。

竜巻がよく起こる春先と条件が似たことで――

竜巻に詳しい防衛大学 小林文明教授
「竜巻を生み出す特別な積乱雲、スーパーセル。それが冬ではあるけど発生した。数百キロぐらいの大きな積乱雲(スーパーセル)が発生。結果的に次々と竜巻を生んでいった」

これまでにアメリカでは5つの州で48人の死亡が確認されているということです。