日中外相会談始まる 冒頭で何を語った?
中国を訪問中の林外相が日本時間の午前11時半頃、中国の秦剛外相と会談しました。
会談の冒頭、秦剛外相は次のように述べました。
秦剛外相「林外相就任後初めての訪中を歓迎する。また、私の国務委員と外相就任に祝電をいただいたことに感謝する。中日両国は『一衣帯水』の隣国だ。去年、双方は共に中日国交正常化50周年を記念し、両国の指導者が祝電を交換しあったほか、バンコクで初めての会談を行い、両国関係に関して重要な共通認識に達した。今年は中日平和友好条約締結45周年にあたる。50年前に中日両国の先人たちが将来を見通し、陣営対抗の隔たりを打ち破って両国の国交正常化を実現させた。また、45年前に先人たちは卓越な見識をもって条約締結を通じて法律の形で両国関係の平和友好協力という大きな方向性を確立した。現在、両国関係のバトンは我々の世代の手に渡り、我々は歴史と人民に恥じることない正しい選択をすべきだと思う。私は林外相とともに両国の指導者の重要な共通認識をガイドラインとして条約の精神を振り返り、交流と意思疎通を強めて両国関係が妨害を取り除き困難を乗り越えて前進するよう推し進めていきたいと思う」
これに対して林外相は次のように述べました。
林外相「今回、秦剛外相と初めて対面での会談を実施することになった。まず改めて国務委員への就任をお祝いしたい。昨年11月に岸田総理と習近平国家主席は初の対面の首脳会談を実施した。建設的かつ安定的な日中関係の構築という大きな方向性について、両首脳間で共通認識を改めて確認した。現在、日中関係には様々な可能性があるが、同時に数多くの課題や深刻な懸案に直面をしており、非常に重要な局面にあると考える。また日中両国は、地域および国際社会の平和と繁栄に、共に重要な責任を有する大国でもある。両首脳間の共通認識を実施に移す重要性は増している。そのために両国の外交責任者として、議論すべきことは数多いと考える。秦剛外相と率直なやりとりを行いたいと思う」
会談は現在も続いていますが、この中で林外相は、アステラス製薬の男性社員が中国当局に拘束されたことについて厳しく抗議するとともに、早期解放を求める方針です。
また、沖縄県の尖閣諸島周辺で中国の艦船が活動を活発化させていることへの懸念も伝えるほか、ウクライナ情勢をめぐりロシアに肩入れしないようクギを刺すものとみられます。
今回の会談は秦剛外相が就任してから初めての会談となります。