ウクライナの大規模な反転攻勢が加速しています。東部ドネツク州などで7つの集落を奪還しました。地図上でこの集落の場所を結ぶと、ある狙いが見えてくるといいます。

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ウクライナ東部のドネツク州とされる集落で、ウクライナの兵士たちが破壊された建物の中を進むと、「ウクライナに栄光を！　英雄に栄光を！」と言いながら窓の外にウクライナ国旗を掲げました。そして「我々は敵をふるさとから追い出しています。ウクライナは勝つでしょう」と言いました。

反転攻勢による集落の奪還。ドネツク州にある集落では12日、ロシア軍が残したとみられる車両の「Z」のマークに青いラインが引かれていました。

ウクライナの反転攻勢が加速しています。ウクライナはこれまでにドネツク州とザポリージャ州の合わせて7つの集落を奪還しました。

ゼレンスキー大統領は12日、自身のSNSに公開した動画で「戦いは激しいが、我々は前進している」と述べ、その成果をアピールしました。

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一方でロシアが10日に公開したのは、上空からウクライナの戦車を狙い撃ちする映像です。地上には爆撃された10台ほどの戦車が映っています。

他にも、西側諸国から供与された戦車「レオパルト」や、歩兵戦闘車「ブラッドレー」といった戦闘に使われる車両の映像も公開しています。

ロシアは反転攻勢に対し、大規模なミサイル攻撃で対抗しています。中部の町・クリビーリーフではロシアのミサイルが住宅に着弾し、これまでに11人が死亡しました。

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ウクライナによる7つの集落の奪還について、現代軍事戦略に詳しい専門家に聞きました。

防衛省・防衛研究所　高橋杉雄室長
「今、ロシアは、ウクライナ東南部のへりを三日月状に占領しているわけです。その三日月をどこかで断ち切りたい、分断したい。東部ドネツク州と南側のクリミア半島を切り離すことが目的です」

分断することでロシア軍の戦力を二分する狙いがあると指摘しています。

防衛省・防衛研究所　高橋杉雄室長
「その後でおそらく、ウクライナは弱い方を攻める。ドンバス（東部）が弱ければドンバスを攻めるでしょうし、クリミアの方が弱ければクリミアを攻めるでしょう。その作戦が来年です」

今年は占領地域の分断を目指し、来年以降に奪還を狙うとの見通しを示しました。