ロシアで戦死者英雄視の動き広がる ウクライナ侵攻で兵士不足
ウクライナ侵攻によるロシア軍の死者数は増え続け、8万人を超えたと報じられました。こうした中、ロシア国内では戦死者を英雄視する動きが広がっています。
現地からの報告です。
ロシア中部の都市、ウリヤノフスク。
街の中心部には、アメリカ製の戦車など、ウクライナでの“戦利品”が展示されていました。
ロシア各地で開かれているこの展示会は、国民の戦意を高める狙いがあり、この日も多くの地元住民が集まっていました。
来場者
「私たちは真実のために戦い前進していると子どもに示したい」
敷地内には、軍への入隊を案内するブースもあり、話に聞き入る人の姿もありました。
入隊初年の年収は500万円弱で、この地域では異例の高給です。
高額の報酬のワケは、犠牲をいとわない戦闘で、兵士不足が深刻化しているため。死者数は8万人を上回ったと報じられています。
来場者
「特別軍事作戦にはたくさんの友人が参加しました。残念ながら、何人かは戻れませんでした」
こうした中、街の中心部には、戦死したロシア兵の写真が掲げられていました。
さらに今年10月から遺族のグループが遺品の展示を始めるなど、戦死者を英雄視する動きが広がっています。
息子が戦死した女性
「国は英雄をたたえ、若い世代は身近な英雄を知るべきです」
3人の子どもがいるという遺族の女性は。
夫が戦死した女性
「(戦死した夫は)とても家庭的で素晴らしい父親でした。私たちの子どもたちは、ロシアの歴史を知り、父親に敬意を持つべきです」
プーチン政権は、戦死者数を公にしていませんが、英雄視の徹底や遺族への補償を充実させ、国内の不満を抑え込んでいます。