全員解放求め大規模集会も…イスラエル“人質”解放で現地は
イスラム組織ハマスにとらわれていた人質のうち、イスラエル人13人を含む24人が解放されました。イスラエル側は初めての人質解放をどう受け止めているのでしょうか。中継です。
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はい、イスラエルでは、人質の解放から一夜明け、家族との再会を歓迎する声があがっています。
わたしたちが先月取材したイスラエル人のジヒリさんは、妻のケレンさんと、9歳の息子のオハドくんが人質となっていましたが、24日、2人は無事に解放され、搬送先の病院で家族との再会も果たしました。
一方で、今回の人質解放の対象が女性と子どもに限定されているため、解放を手放しでは喜べないという現実もあります。
実際、今回解放されたオハドくんも、一緒に連れ去られた祖父が未だに人質となったままです。
人質の家族らの団体でも、「解放の対象が限定されることで人質家族や支援者の団結が損なわれる」という声もあがっていることから、25日には、あらためて「全ての人質の解放」を求める大規模な集会が予定されています。
――戦闘の一時休止を受け、ガザ地区は今どんな状況なのか、そして今後の見通しはどうなるのでしょうか。
はい、人質解放の条件としてガザ地区への人道支援物資の搬入が増強されています。
24日には先月7日以降最大規模の物資が搬入されたものの、戦闘の一時休止期間はわずか4日間です。人道危機の状況がどこまで改善されるのかは不透明なままです。
さらに、イスラエルの最新の世論調査では、「人質の解放によって今回の戦争の勝利となる」と考えている人は わずか14%にとどまりました。
一連の人質解放の後はガザ地区での作戦を再開し、イスラエル政府が掲げる「ハマスの殲滅」という目標達成まで、 戦闘を継続すべきという声が多数派を占めているため、イスラエル政府も強硬姿勢を崩さないものとみられます。
今後の戦況次第では、さらに犠牲者が増える懸念も出ています。