ロシア国防省“キエフの予備の放送局を破壊”発表、民間の犠牲拡大…被害報道でウクライナ側と“乖離”も
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1週間が過ぎ、民間の犠牲者が増え続けています。そうした中、3日に停戦に向けた2回目の協議が行われる見通しです。
──ロシアが初めて軍の死者数発表…ウクライナ側の発表と大きな差
ロシア国防省は、ロシア軍は中距離高度精密兵器を使ってウクライナの首都キエフにある予備の放送局を破壊したと発表しました。周辺の住宅街の破壊はないとしています。
ロシア軍の侵攻は長期化の様相を見せ始めています。また、攻撃的な姿勢を強めていることから、双方の軍だけではなく、民間の犠牲が拡大していく一方となっています。ウクライナの非常事態庁は2日、民間人の死者が推計で2000人にのぼるとの見方を示しました。
こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、新たな動画を公開し、これまでにロシア兵およそ9000人が死亡したと主張しました。一方で、ロシア国防省は2日に初めて、これまでのロシア軍の死者数を498人と発表しています。
数字に大きな差がありますが、いずれにしてもロシア軍の被害も拡大していると言えます。
──民間人の犠牲やロシア軍の被害、ロシアでの報じられ方は
ロシア政府は、ウクライナ侵攻に関する報道では政府の公式発表のみを引用するようメディアに命じ、情報統制を強めていて、ロシア国民は幅広い情報を得ることはできない状況です。
一方、停戦に向けた協議は3日に行われるとみられていますが、開催場所などの情報が錯綜(さくそう)しています。現時点で、開始時間などの正式な発表はありません。
いずれにしても、ウクライナとロシア双方の主張にはもともと大きな隔たりがあり、停戦につながる合意ができるかは不透明です。