【解説】中国も参加 IAEAが処理水放出後初の水産物調査 中国の対応に変化は?
福島第一原発の処理水放出後初めて、国際原子力機関=IAEAが中国の専門家らと福島県産水産物の調査を始めました。今後、中国の行動に変化が出る可能性はあるのか、福島第一原発の取材経験がある日本テレビ小林史国際部長が解説します。
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処理水放出を強く批判してきた中国が、今回初めて調査に参加しました。これで理解が深まり納得の方向に進むのかというと、それはなかなか難しいとみられます。
中国はこれまで調査結果で数値が問題ないとされていても、例えば「調べたのはヒラメ2匹だけ」とサンプル数が少ないことを強調して調査の手法自体に問題があるかのように報じたり、微量のトリチウムが検出された際にもそのことを大きく報じたりする一方で、その数値が健康には問題ないとされているということはあまり報じないなど、いわば中国政府に都合のいい形での情報を発信し続けてきました。
こうした情報発信は、中国の人々の行動にも大きな影響を与えています。
実際、18日に発表された9月の貿易統計では、中国が日本から輸入した水産物の総額がゼロとなったことが分かりました。中国による日本産水産物の全面禁輸という対抗措置の影響も大きくあらわれている形です。
また、中国の王毅外相は19日、日中関係を話し合うフォーラムへのメッセージで処理水放出についてわざわざ触れ、「人々の健康と海洋環境に脅威を与えている」と批判するなど強硬な姿勢を崩していません。
中国側の対抗措置はまだしばらく続きそうです。
中国は、そもそも事故を起こした原発の処理水は通常の原発が放出する水とは違うのだから、安全性についてもまだまだ分からないことが多いと主張しています。
今回、初めて中国自らも調査に参加したわけですが、そこでどのような結果が出たとしても、中国がそう簡単に批判の矛を収める可能性は低いとみられます。
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処理水放出を強く批判してきた中国が、今回初めて調査に参加しました。これで理解が深まり納得の方向に進むのかというと、それはなかなか難しいとみられます。
中国はこれまで調査結果で数値が問題ないとされていても、例えば「調べたのはヒラメ2匹だけ」とサンプル数が少ないことを強調して調査の手法自体に問題があるかのように報じたり、微量のトリチウムが検出された際にもそのことを大きく報じたりする一方で、その数値が健康には問題ないとされているということはあまり報じないなど、いわば中国政府に都合のいい形での情報を発信し続けてきました。
こうした情報発信は、中国の人々の行動にも大きな影響を与えています。
実際、18日に発表された9月の貿易統計では、中国が日本から輸入した水産物の総額がゼロとなったことが分かりました。中国による日本産水産物の全面禁輸という対抗措置の影響も大きくあらわれている形です。
また、中国の王毅外相は19日、日中関係を話し合うフォーラムへのメッセージで処理水放出についてわざわざ触れ、「人々の健康と海洋環境に脅威を与えている」と批判するなど強硬な姿勢を崩していません。
中国側の対抗措置はまだしばらく続きそうです。
中国は、そもそも事故を起こした原発の処理水は通常の原発が放出する水とは違うのだから、安全性についてもまだまだ分からないことが多いと主張しています。
今回、初めて中国自らも調査に参加したわけですが、そこでどのような結果が出たとしても、中国がそう簡単に批判の矛を収める可能性は低いとみられます。