3年ぶりの再会 ウクライナ避難民と日本人壁画作家
ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、日本に住む娘を頼りにウクライナから避難してきた女性がふるさとを“感じる”再会を果たしました。
先月、ウクライナの首都キーウから避難してきたマリヤさん。日本に住む娘のカテリーナさんとある場所へ向かいました。
マリヤさんを待っていたのは、アーティストとして世界中で活動しているミヤザキケンスケさん。マリヤさんとミヤザキさんは、およそ3年ぶりの再会です。
ミヤザキさんは、紛争などにより破壊された壁に希望を取り戻せるよう、現地の人たちと一緒に、壁画を制作する活動を続けています。
3年前、ウクライナを訪れた際にマリヤさんに出会っていました。マリヤさんにとって、ミヤザキさんは「息子のような存在」だといいます。
そんなマリヤさんがそっと手を重ねているのは、ミヤザキさんが、マリウポリでの制作の様子を思い出しながら描いたという手袋の絵。楽器を持った娘・カテリーナさんの姿も描かれています。
実際に制作が行われたマリウポリの現場。ミヤザキさんはウクライナの子どもたちと一緒に幅・高さが11メートルにも及ぶ画を描きました。
ウクライナ民話が原作とされている「てぶくろ」をモチーフにしています。娘のカテリーナさんはこの絵の前で演奏をしていました。
日本でも広く読まれている「てぶくろ」。落ちていた手袋の中にカエルやウサギ、オオカミなど様々な動物たちが場所を譲り合いながら入っていく物語です。
キーウから避難してきたマリヤさん「手袋は世界を一つにするシンボルです。国も民族も関係ない」
しかし、ロシアによる軍事侵攻でこの壁画があるマリウポリは甚大な被害を受けました。ミヤザキさんは、「この壁画はもう残っていないだろうと話します」
マリヤさん「会えたのはうれしいですが、こんな形での再会は最後にしたいです。前、私が(日本に)行ったり、あなたがウクライナに来てくれた時みたいな楽しい再会がしたかった。はやく戦争が終わって平和になってほしい」