世界18か国で調査 ロシアの印象「好ましくない」85%
アメリカの調査機関「ピュー・リサーチ・センター」は22日、日本やアメリカなど世界18か国で行った世論調査で、ロシアに対する印象を「非常に好ましくない」または「やや好ましくない」と回答した人が平均で85%だったと発表しました。
一方、「好ましい」とした人は平均で10%で、各国で過去最低を記録しました。ウクライナ侵攻を続けるロシアに対して、国際社会の印象が悪化していることが浮き彫りとなりました。
調査はウクライナ侵攻直前の今年2月14日から5月11日にかけて、18か国(日本・アメリカ・カナダ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・オランダ・スペイン・ベルギー・ギリシャ・スウェーデン・ポーランド・イスラエル・マレーシア・シンガポール・韓国・オーストラリア)で、あわせておよそ2万人を対象に行われました。
■ロシアの印象「好ましくない」85%
ロシアに対する印象を「非常に好ましくない」または「やや好ましくない」と回答した人は18か国の平均で85%でした。90%以上がロシアの印象を「好ましくない」とした国は、日本を含む6か国でした。
・ロシアの印象を「非常に好ましくない」「やや好ましくない」と回答した人が多かった国
◆ポーランド 97%
◆スウェーデン 94%
オーストラリア 94%
◆アメリカ 92%
◆日本 91%
オランダ 91%
ロシアの印象を「好ましくない」とした人が最も多かったのは、ウクライナの隣国ポーランドでした。ポーランドは「非常に好ましくない」と回答した人の割合が91%で、調査した18か国の中で唯一90%を超えました。
2019年の調査では「好ましい」とした人の割合が33%でしたが、今回はわずか2%で、ロシアに対する感情が急速に悪化したことが分かります。ロシアの侵攻後、ウクライナからポーランドに避難した人は400万人あまりで(UNHCR 6月21日現在)、周辺国で最多となっています。
それに次いだスウェーデンは今年5月、ロシアのウクライナ侵攻を受け、「軍事的中立」の立場から歴史的な転換をして、西側の軍事同盟NATO(北大西洋条約機構)への加盟を申請しています。
また、ロシアの印象を「好ましい」とした人の割合は、初めて調査が行われたマレーシアとシンガポールを除く16か国すべてで過去最低となりました。
一方、ロシアのプーチン大統領に対して、「まったく信頼しない」または「あまり信頼しない」と回答した人は18か国の平均で90%でした。ここでも最も多かったのはポーランドで97%、次に多いのがスウェーデンの95%でした。日本は92%で、アメリカ、オランダ、スペイン、ベルギー、イギリス、オーストラリア、韓国も90%以上でした。
他の国の首脳では、中国の習近平国家主席が18か国の平均で「信頼しない」77%、「信頼する」18%で、アメリカのバイデン大統領はアメリカを除く17か国の平均で「信頼しない」が39%、「信頼する」は60%となっています。
調査が行われた5人の首脳(ほかにフランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相)の中で、「信頼しない」とした人の割合が最も多かったのはプーチン大統領でした。