「暗闇で過ごした2か月間」製鉄所の地下から女性・子供らが避難 ウクライナ・マリウポリ
ウクライナのゼレンスキー大統領は、マリウポリのアゾフスタリ製鉄所から2日間で100人以上の民間人が避難できたと明らかにしました。製鉄所から避難した女性や子供などは、ほっとした表情を浮かべ、なかには「2か月間、暗闇で過ごしていた」と訴える人もいました。
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ウクライナ南東部・マリウポリのアゾフスタリ製鉄所からの避難とされる映像には、多くのがれきの中、はしごを使い、地下から出てきた人々が撮影されていました。
「おばあちゃんもう大丈夫だよ。バスもすぐ近くにある」
映されているのは、約2か月ぶりに避難した人たちです。
――食べ物はありましたか?
避難した人
「なくなりそうだった」
「子供は、ずっとおなかをすかせていました」
第1陣として、女性や子供など約100人の市民が製鉄所から避難しました。
避難した人
「ありがとう。あなたたちにも幸運を」
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ウクライナ ゼレンスキー大統領
「きょう、戦争が始まってから、初めて重要な人道回廊が実施されました。この地域で初めて2日間の停戦が実現し、100人以上の民間人が避難できました」
これまで何度も避難を提案されては、実現できませんでした。国連によると「国連と赤十字国際委員会がウクライナ・ロシア双方と調整し、避難路を確保した」ということです。
避難した人
「2か月間、暗闇で過ごしたから、旦那には『もうトイレに行くときにライトを持って行かなくていいのね』と言ったわ。光を見てなくて、怖かった」
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そして、マリウポリ同様、ロシア側が掌握を宣言した南部・へルソンでは、“ロシア化”を強める動きがありました。ウクライナのフェドロフ副首相が、ヘルソンに設置されたという「レーニン像」をSNSに投稿しました。レーニン像は旧ソ連の支配の象徴で、実効支配の強化の一環とみられています。
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さらに、南部オデーサにある空港が精密誘導兵器の標的となり、滑走路がミサイル攻撃で破壊されたということです。そのウクライナ・オデーサから、モルドバの首都・キシナウに避難してきた家族に聞きました。
オデーサから避難 マリアさん(32)
「最初は、徒歩で丸1日。そこからヒッチハイクで、ここまでたどり着きました」
マリアさんは夫をウクライナに残し、子供2人と丸1日歩き、国境を越えたといいます。
マリアさん
「希望は、すべてが早く終わり、避難先から故郷に戻ることです」
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一方、ロシアメディアは、「ロシアの新興財閥・オリガルヒの1人が自殺した」と報道しました。侵攻開始後、少なくとも4人のオリガルヒの謎の死を伝えています。