【解説】ウクライナにベラルーシ軍侵入か……専門家、欧州からの“武器供給”ブレーキなら「ロシア軍に抵抗し続けること難しい」
ベラルーシ軍がウクライナに侵入したとの情報があります。ヨーロッパからの武器などが供給されるルートと重なるため、ウクライナ軍の抗戦に影響する可能性があります。再びの停戦交渉に向け、ロシア軍の攻撃が激化する恐れも。専門家に聞きました。
有働由美子キャスター
「国際安全保障に詳しい、慶応義塾大学の鶴岡路人准教授にうかがいます。ベラルーシ軍がウクライナ北部に入ったという情報について、その意味はどう捉えればよいでしょうか?」
鶴岡准教授
「数日来、懸念されてきたことが起きてしまいました。場所が問題です。西部の北部から入ったということですが、(ウクライナ)全体で言うと西部です」
「ウクライナ西部はNATO・EU加盟国から武器などの供給を受ける非常に重要なルートなので、そこにベラルーシ軍が入ってくるのは大きな波乱要因になろうかと思います」
有働キャスター
「具体的には、どんな影響がウクライナ軍に出ますか?」
鶴岡准教授
「ヨーロッパ、NATO・EU加盟国からの武器・弾薬が届かないことになると、ウクライナ軍がロシア軍に抵抗し続けることが難しくなってしまうので、その辺りはしっかり見ていかないといけないと思います」
有働キャスター
「2月28日夜の段階で、(ロシアとウクライナは)交渉で折り合うのは難しく『継続』の状態でした。この後も数日にわたり継続する、3月2日に2回目の会談が行われる可能性があるという情報がありますが、継続されるということについては?」
鶴岡准教授
「継続自体は、お互い交渉する意思があることの表れなのでプラスに捉える必要があると思います。ただ、危険なのは次の交渉までに、軍事的により優位に立とうというロシアの意図がかなり見えてきてしまっていることだと思います」
「交渉している時に軍事的に優位だと、交渉のポジションも強くなるので、2月28日、3月1日と、相当強硬手段に出て攻撃しているのは、次の交渉を見据えてという部分もあるのかなと思います」
有働キャスター
「その大規模な軍事攻撃を懸念させるような画像が1日、入ってきました。首都キエフの北方で、ロシア軍の地上部隊の車列が約64キロにわたって道路を埋め尽くしている様子が、衛星写真で確認されました」
「(車列の長さは)倍近くに伸びたようですが、この部隊でキエフにどんな形で攻勢をかけていくのでしょうか?」
鶴岡准教授
「すぐ突入するのか、包囲をしていくのか分かりませんが、包囲をするには相当な兵力が必要なので、今回このような形で兵を集めてきているのかなと思います」
(3月1日『news zero』より)