「首都攻防」ウクライナ軍激しく抵抗 停戦協議の調整は難航
ウクライナに軍事侵攻したロシア軍は地上部隊が首都キエフの中心部に迫る勢いですが、首都防衛のため激しく抵抗するウクライナ軍との攻防が続いています。一方、停戦を協議するため調整が続いていますが、難航しているもようです。
ウクライナ側は26日、首都キエフの高層マンションが攻撃を受けたとして、市民が救助される様子とあわせ、映像を公開しました。
ロシア軍はウクライナ軍の激しい抵抗を受け、今のところ首都の制圧には至っていませんが、キエフでは28日朝まで、夜間外出禁止令が出されました。
ロイター通信によりますと、アメリカ国防総省の高官は、ロシア軍がこれまでにミサイル250発以上を発射したとする一方、ウクライナ側の抵抗で、ロシア軍の侵攻は「勢いに欠ける」と指摘しています。
ただ、ロシア軍の侵攻が3日目に入り、民間人の犠牲が増えています。
ウクライナのリャシュコ保健相によりますと、これまでに子ども3人を含む198人が死亡し、1115人がケガをしたということです。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領「敵はロケット弾を使って住宅地を攻撃している。エネルギーインフラを破壊しようとしている」
ウクライナのゼレンスキー大統領は、「敵の攻撃に耐えて見事に撃退した」「キエフと周辺の主要都市は我が軍が押さえている」と強調しました。
また、ウクライナに侵攻したロシア軍は10万人以上との見方も示しています。
こうした中、NATO(=北大西洋条約機構)の加盟国などからは、ウクライナに対して武器供与など軍事的支援の表明も相次いでいます。
一方、ウクライナ側は停戦について協議するため、ロシア側と日時や場所を交渉しているとしています。
しかし、条件などをめぐり、調整は難航しているもようで、ロシア大統領府の報道官は「ウクライナ側が協議を拒否した」と主張し、軍事作戦を継続する考えを明らかにしました。
地元メディアなどは、ウクライナ第2の都市・北東部のハリコフで激戦が続き、キエフなどから避難する人も多い西部のリビウでもロシア軍の攻撃があったと伝えています。