マリウポリ“陥落”の恐れも首都キーウ近郊“奪還”戦況に変化も…
ロシア軍がウクライナに侵攻してから1か月あまりが経過する中、マリウポリの陥落のおそれが高まっています。一方、首都キーウの西に位置するイルピンの奪還が発表されるなど、ここ数日、戦況に変化も出始めています。
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仲介役のトルコ・エルドアン大統領が、「即時停戦」を呼びかける中、日本時間29日午後4時ごろ、イスタンブールにロシアとウクライナの代表団が集まり、停戦協議が始まりました。両国の主張には、依然として大きな隔たりがあるとみられていて、2日間でどこまで歩み寄れるのか、注目されています。
「停戦」は実現するのでしょうか。ただ、ロシア軍による攻撃はいまも続いています。ウクライナ西部の都市ルーツクにある石油貯蔵施設は、ミサイルによる攻撃を受け炎上しました。
市長
「残念なことに、石油の在庫は燃え尽きてしまった」
陥落のおそれが高まっているマリウポリでは、建物の9割以上が被害を受けています。
鳴り止まない銃声。砲撃が続く中、荷物を運び出していた男性は…
男性
「これしか残っていなかった。靴屋で37年働きました。今は何も残っていない。とても怖いです」
がれきと化した室内にいた女性が見せてくれたのは、わずかしか残っていない食料です。
女性
「すべて壊れてしまいました。戦争の前はすばらしい生活でした。食べ物がほとんどありません」
当局によると、マリウポリでは、これまでに5000人が死亡したということです。
このマリウポリについて、ロシア国営テレビも29日、ニュースで取り上げました。アナウンサーは、「ほとんどの地域がロシア軍の支配下にある」などとVTRを紹介。記者が「(ウクライナ軍の)車両は銃撃され、燃え尽きている」と現地の様子を伝え、インタビューを受けた女性が「ウクライナ軍が攻撃したの。建物を見ればわかります」と話すなど、「ウクライナ軍が街を攻撃していて、ロシア軍が守っている」と報道しています。
そのロシア軍がウクライナに侵攻してから1か月あまりが経過しました。ロシアの支配地域は、広がりをみせていましたが、ここ数日、戦況に変化も出始めています。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「占領者たちがイルピンから押し出されています。キーウ(キエフ)から押し出されています」
ウクライナのゼレンスキー大統領は、日本時間29日、首都キーウの西に位置するイルピンを「奪還した」と発表しました。
さらに東部のスムイ近郊でも、戦車に乗る兵士に対し手を振る多くの市民がいました。アメリカの国防総省高官は、「スムイ近郊の町をウクライナ軍が奪還した」との分析を明らかにしました。
男性
「この3日間、砲撃などはないので、状況はよくなっているのでしょう」
ウクライナ軍は一部で攻勢に転じています。
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戦地ではいまも“緊張”が続いていますが…。
記者
「あなたの発言が緊張を高めると懸念しないのか」
アメリカ バイデン大統領
「いいえ全くしていない」
ロシアのプーチン大統領について「権力の座にとどまってはならない」との発言が“ロシアとの緊張を高めるのでは”と批判されているアメリカのバイデン大統領。
アメリカ バイデン大統領
「発言は撤回しない。私の怒りを表現しただけだ。プーチン政権を転覆させるという政策変更ではない」
“個人的な怒りを表現しただけ”とした上で――
アメリカ・バイデン大統領
「プーチンは自分がすべきと思うことをするだろう。(プーチンは)周りの影響を受けない」
ロシアとの緊張を高めることはないとの認識も示しています。