ウクライナ政府、ロシア側と会談で合意
ロシアのウクライナ侵攻による戦闘が激しさを増すなか、ウクライナ政府は27日、ロシア側と前提条件なしの会談に応じることで合意したと発表しました。
27日、ロシア軍はウクライナ第二の都市・ハリコフの中心部に侵入し、市街地では激しい戦闘になりました。また、首都キエフでは住宅街にミサイルが着弾したということです。
ロイター通信によりますと、キエフ近郊では石油貯蔵施設が爆発し、ロシア軍がインフラ施設への攻撃を強めているものとみられます。
ウクライナではこれまでに子ども3人を含む198人が死亡しました。一方、ウクライナ当局は、ロシア側の死者が4300人にのぼっていると発表しています。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領「ロシアはウクライナの都市への爆撃を強めようとしている。彼らは子どもたちをさらに巧妙に殺すつもりだ。我々の土地にやってきた悪を滅ぼさなければならない」
ロシア・プーチン大統領「ウクライナ東部の2つの独立国家を支援するための特別作戦において、自らの義務を英雄的に遂行している兵士たちに感謝したい」
こうしたなか、ゼレンスキー大統領は27日、ベラルーシのルカシェンコ大統領と電話会談し、ロシア側と「前提条件なしで」会談することで合意しました。ウクライナとロシアの代表団の会談は、ウクライナとベラルーシの国境地帯で行われるということです。
事態の打開に向けた話し合いができるかが焦点ですが、一方でロシアメディアは、プーチン大統領が軍に対し、核戦力を含む軍の抑止力を特別警戒態勢に移行するよう命じたと報じました。その理由について、「西側諸国が経済制裁を科したほか、NATO(=北大西洋条約機構)が攻撃的な発言をした」としています。
これに対しアメリカ政府高官は、「プーチン氏は、さらなる侵攻を正当化する脅威を作り出している」と非難しています。