ロシア軍 第二の都市ハリコフへも攻勢強める “停戦協議”実現見通し立たず
ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻は3日目に入り、首都キエフや第二の都市ハリコフなどへの攻勢を強めています。一方で、停戦協議に向けた動きは見られるものの、実現の見通しは立っていません。
AP通信によりますと、首都キエフ近郊のバシリコフで27日、石油貯蔵施設が爆発し、火災が発生したということです。ウクライナ大統領府が公開した映像では、施設から炎や黒煙が上がっている様子が確認できます。
また、大統領府によりますと、27日第二の都市・ハリコフでもロシア軍がガスパイプラインを爆破したということです。さらに、ウクライナ当局によりますと、ハリコフで9階建てのビルに砲弾が撃ち込まれ、女性1人が死亡、およそ60人が地下室に避難したということです。
ウクライナのリャシュコ保健相によりますと、ウクライナでこれまでに子ども3人を含む198人が死亡し、1115人がケガをしたということです。また、首都キエフの市長は、キエフ市内でこれまでに子ども1人を含む6人の民間人が死亡し、25人が負傷したとしています。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領
「我々は国、領土、子どもたちの未来を守っている。キエフや周辺の主要な都市は我々の支配下にある。敵の計画は失敗し彼らは何も得られていない」
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍がエネルギーインフラを破壊しようとしているとして、国外にいるウクライナ人に対し「帰国できる人は、戻ってきて一緒に闘おう」と呼びかけました。
一方、停戦を協議するため、ウクライナ側はロシア側と日時や場所を交渉しているとしていますが、ロシア大統領府の報道官は26日、「ウクライナ側が交渉を拒否した」と述べました。軍事作戦を継続する考えも明らかにしていて、ロシア軍はさらに攻勢を強める構えです。
ウクライナ側は「交渉拒否はしていない」と反論していますが、停戦協議に向けた調整は難航しています。