ベラルーシに“停戦協議”交渉団…ロシアの意図は? プーチン大統領の最終的な狙いは?
ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻は3日目に入り、首都キエフや第二の都市ハリコフなどへの攻勢を強めています。一方で、停戦協議に向けた動きは見られるものの、実現の見通しは立っていません。現在の状況やロシア側の意図、プーチン大統領の最終的な狙いなどについて解説。
──停戦協議に向けてロシア側がベラルーシに交渉団を派遣。ロシア側の意図は?
26日の段階で両国は、停戦協議の開催地をめぐって、ロシア側はベラルーシ、ウクライナ側はポーランドを提案し、調整が難航していました。
その後、ロシア側は停戦協議のために一時、軍の侵攻を止めたものの、ウクライナ側が停戦協議に応じなかったので攻撃を再開したとしています。そして、27日、協議のためにロシア側の代表団がベラルーシに到着したと発表しました。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は「ミサイルが飛んでくるベラルーシでは協議には応じられない」と拒否する姿勢を示しています。
ロシア側としては、停戦協議に積極的に応じる姿勢を見せることで、主導権を握りたい思惑があるものとみられます。
さらに、このままウクライナ側の抵抗が続いて戦闘が長引けば、ロシア軍の被害が拡大することも懸念していると思われます。
──今回の軍事侵攻、プーチン大統領の最終的な狙いは?
現在、ロシア側の予想以上にウクライナ側が抵抗していて、むしろどうやって戦争を終わらせるのか、判断が難しくなってきたように思います。
プーチン大統領は25日、次のような声明を出しています。
プーチン大統領「私はウクライナの軍人に訴えます。自分たちの手で現政権を倒しなさい。そうすれば、私たちが合意するのは簡単です」
このように、ウクライナ軍に対し現政権に対するクーデターを促すような発言もしていて、プーチン大統領の狙いは、自らの意のままになる親ロシア派の傀儡(かいらい)政権の樹立だとみられています。
ただし、目標として掲げている現政権の転覆かウクライナの非武装化の、どちらも達成できなかった場合は、国民から批判を浴び、2024年の大統領選挙での自身の出馬にも影響が出てくることは確実です。
さらに、最悪の場合は、ウクライナ以外にも戦火が拡大し、プーチン氏が口にしていた核の使用にまで踏み込む懸念が出てくることも完全には否定できません。