和服姿で撮影したら警察が「騒乱挑発罪だ」 国交正常化50周年も中国で“日本文化バッシング”なぜ?
29日、日本と中国が国交を正常化してから50年を迎えました。都内で開かれた記念式典にはフィギュアスケートの羽生結弦さんも出席し、「日中がもっとい関係であるように、これから僕も役に立ちたい」と抱負を語りました。一方、中国国内では、“日本文化バッシング”とも言える動きが広がっています。その背景は…。
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29日夜、都内で開かれた「日中国交正常化50周年記念式典」には羽生結弦さんも出席しました。
羽生結弦さん
「みなさん、こんにちは。『大家好 (ダージャーハオ)』。羽生結弦です。日本と中国がもっともっといい関係であるように、これから僕も役に立ちたいなと思いました」
こうした記念式典が行われる中、中国国内では日中関係をめぐり、“ある変化”が起きています。
2020年に中国・江蘇省の蘇州で撮影された映像には、和服姿の人々が映っていました。餃子やたこ焼きなど居酒屋も立ち並び、“日本に来た気分になれる”と和服姿で写真撮影をする人気スポットでした。しかし、9月に訪問すると――和服を着て撮影している人の姿はありませんでした。
さらに、黒い服を着た“監視員”が至るところに立って、周りを見回していました。彼らは今年夏から増員されたといいます。その背景には、“ある事件”がありました。
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中国のSNSに投稿された8月10日の映像には、和服姿で撮影していた女性が警察と言い合いになる様子が映っていました。
女性
「撮影に来ただけです」
警察
「中国服なら、こんなことは言わない! でも和服を着ている。お前は中国人だろ!」
「騒乱挑発罪だ」
女性
「和服を着ただけで?」
警察
「一緒に来なさい!」
女性は5時間拘束され、和服は警察に没収されました。
この“反日ムード”は他にも見られます。日本風の夏祭りをイメージしたアニメイベントの中止が相次ぎ、「日本の浮世絵に似ている」とされた首都・北京の地下鉄の駅の壁画は、北京の観光名所のイラストに様変わりしました。
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この日中関係の背景にあるのが、習近平指導部の“強硬姿勢”です。台湾情勢が緊迫する中、アメリカと歩調を合わせる日本とは、大きな溝があります。
国交正常化から50年の節目を機に、風向きは変わるのでしょうか。
(9月29日放送『news zero』より)