米バイデン大統領“サウジ訪問”検討 人権めぐり非難も…原油増産を働きかけか
アメリカのバイデン大統領は3日、中東のサウジアラビア訪問を検討していると明らかにしました。原油価格の高騰を受け、これまで人権問題をめぐって厳しく非難してきたサウジに、直接、増産を働きかけるものとみられます。
バイデン大統領「イスラエルとサウジアラビアを含むアラブ諸国の両方と会談する可能性がある。もし行くならだ」
バイデン大統領はサウジ訪問について、「現段階で具体的な訪問計画はないが、 検討している」と明らかにしました。イスラエルと合わせての訪問となるとしています。
NBCテレビは、当初、今月下旬のヨーロッパ訪問と合わせて行う方向で調整が進められていたものの、来月に延期される見通しだとしています。
バイデン大統領は、2018年にサウジアラビア人ジャーナリストの殺害事件が起きた際、サウジが国家として関与したとして「のけ者」と厳しく非難したほか、アメリカの情報機関は去年、ムハンマド皇太子が殺害を承認したとの報告書を公表しています。
バイデン大統領は3日の演説で、「人権に関する見解を変えるつもりはない」としたものの、複数のメディアは、今回の訪問でムハンマド皇太子とも会談すると伝えていて、産油国サウジに直接、原油の増産を働きかけ、国内で深刻なガソリン価格の高騰などの課題の解決を図る狙いがあるものとみられます。