「一つ一つの力は小さくても皆さんのできることをやってください」 拉致被害者・松本京子さんの兄が心境を語る 鳥取県米子市
拉致された妹を救うための講演会は、140回を超えました。鳥取県米子市の公民館で4月23日、拉致被害者 松本京子さんの兄・孟さんが講演し、現在の心境を語りました。
松本京子さんの兄・松本孟さん
「こういう大きな問題は(解決への思いを)一つ一つ積み重ねていただくと大きな輪になる」
この講演会は、米子市にある河崎公民館が一刻も早い拉致問題の解決を目指し、鳥取県と協力し初めて開催したものです。講演会には地域の住民30人が参加。同じ拉致被害者である横田めぐみさんの映像などを通して拉致問題の現状を学びました。そして、鳥取県の担当者との対談形式で松本孟さんが講演し、現在の心境を語りました。
松本さんは「妹を救うためなら何でも出来ることはやりたい」と、16年にわたり県内各地の公民館や学校などで講演を続けてきました。講演会は、実に149回を数えます。会場では、参加者に拉致問題の解決に向け改めて協力を求めました。
松本孟さん
「皆さんでできることを。”拉致はいけませんよ”という声が上がっていくことが人を助けます。一つ一つの力は小さいですけど、皆さんの力で拉致被害者を助ける方法はないものかと思っていますので、皆さんのできることを一つ一つやってください、お願いします」
講演を聞いた住民
「(できることは)こういうところに参加して、署名してあげるとか」
「政府がね。(解決に向け)何かいい方向にいけばいいと思っています」
「一日も早く解決してほしいというのが、一番の願いです」
北朝鮮に拉致されて約46年。松本京子さんは今75歳になっています。兄の孟さんも77歳。被害者の帰国を待ちわびる家族も年々高齢化しています。
一刻も早い解決が望まれる拉致問題。一人でも多くの人が、被害者を忘れることなく関心を持ち続けることが求められています。