【独自解説】トランプ氏の妻・メラニア夫人の回顧録が一冊40ドルにもかかわらず、異例のベストセラーに!「知られざる夫婦仲と“確執”」「安倍元首相との交流」「“金目当ての女”への反論」184ページの本から垣間見える“意外”な素顔
トランプ次期大統領の妻・メラニア夫人が回顧録を出版。一冊約6000円と高額書籍にもかかわらず、異例のベストセラーに。赤裸々に語られたエピソードや知られざる夫婦仲とは―。デーブ・スペクターさんの解説です。
■回顧録は夫のイメージアップのため?「彼女自身は非常に真面目」メラニア夫人の“意外”な素顔
スロベニア出身のメラニア夫人(54)は身長180cmで、17歳のときにモデルとしてスカウトされました。そして2005年、34歳のときにトランプ氏と結婚。トランプ氏にとっては3度目の結婚でした。2006年にはバロンくんを出産。夫婦関係については、度々“不仲報道”も出ています。
そんなメラニア夫人は2024年10月8日、回顧録『MELANIA』を出版。一冊40ドル(約6100円)にもかかわらず、『Amazon(アマゾン)』などで売り上げ1位となり、アメリカでベストセラーに。メラニア夫人自らが撮影した貴重な写真・夫人のサイン入りの『特別版』も、250ドル(約3万8000円)で販売されています。
184ページに及ぶ本の内容は、幼少期・モデル時代やトランプ氏との出会い、“金目当ての女報道”への反論などで、自身のインスタグラムで「私の物語。私の視点、真実」と表現しています。
Q.トランプ氏と結婚した当時、“金目当ての女報道”があったんですね?
(デーブ・スペクターさん)
「でも、真面目なんです。モデル=遊び人でパーティーばかり行っているようなイメージがありますが、そういうことは全くなくて、彼女自身は非常に真面目で、モデルとしてちゃんとした仕事をしていました。政治には興味がないですけど、建築や美術などに興味があって、意外と言ったら失礼ですけど、芯は真面目です」
Q.回顧録を実際に読みましたか?
(デーブさん)
「そうですね、入手しました。お世辞にも文才があると言えない簡単な本です。ページを埋めるためなのか、写真がいっぱいありました。アメリカに初めて行ったときのパスポートのスタンプとか、そういうのばかり」
(デーブさん)
「あと、裏が面白くて、アメリカの本には帯がありませんが、裏表紙に『私はこの本を推薦します』とトランプ自身が書いているんです。自分の奥さんの本なら、当然推薦するでしょう」
Q.今回のように回顧録を出せたり、もう一度ファーストレディになれたことのメリットは大きいですよね?
(デーブさん)
「大きいですね。ただ、不思議なのは、普通はファーストレディが終わってから1年ぐらいのところで立派な本を出します。これよりも何倍も厚くて深い中身で、ちゃんと分析をして、悪かったことにも触れるんです。しかし、この回顧録を選挙の1か月ぐらい前のタイミングで出したと考えると、『選挙のためにトランプのイメージアップをしてあげよう』ということだけです」
■トランプ氏との“確執”?異なる意見巡り物議も、「だからバランスが取れている」
しかし、この回顧録を巡ってトランプ氏と“確執”ともいわれています。メラニア夫人は、中絶問題について「個人の自由という女性の基本的権利は、女性が望むならば妊娠を中絶する権限を与えている」と書いていて、人工妊娠中絶の権利を巡りトランプ氏と異なる立場を示し、物議を醸しました。
また、“政治から距離を置きたい”という希望についても、メラニア夫人は「ドナルドの決断全てに賛同しているわけでもないが、異なる視点は人間関係の自然な側面だと認めている」としていて、トランプ氏は「あなたが何をすべきかを言うつもりはありません。自分が信じていることを書かなければならない」とインタビューに答えています。
Q.トランプ大統領も、「『人工妊娠中絶がダメ』というのは共和党の意見で、自分はそうでもない」と、意見を変えましたよね?
(デーブさん)
「かなり変わりました。それで共和党の狂信的な支援者から信頼を失っているぐらいです。元々トランプ自身がバリバリのニューヨーカーで、99年の時点では中絶に賛成していて、別に反対していませんでした。でも、やはり選挙のためということで反対派になりましたが、全国レベルの中絶禁止はやり過ぎで、彼も良くないと思っていて、女性有権者も怒りますので、都合良く合わせています。ただ、この本の中にこのタイミングで入っているというのは、トランプ自身のために入れたのではないかという気がします」
そして、メラニア夫人は英・チャールズ国王と“文通友達”だといいます。英『デイリー・メール』によると、2005年にチャールズ国王がニューヨークでのイベントに出席した際「環境保護への献身的な姿勢」について話し合い、今日に至るまで文通が続いているということです。
Q.「環境保護への献身的な姿勢」ということですが、トランプ氏は「温暖化なんか関係ない」と言っているので、そこも意見が違いますよね?
(デーブさん)
「だから、バランスが取れているんです。チャールズ国王は環境問題の先駆者でもあるので、そこでも気が合ったし、メラニア夫人はファーストレディとして初めて外国生まれの女性で、しかもスロベニアは当時まだ旧ソ連の国だったわけですから、ある意味では、ヨーロッパにいたときに共感というか、話が合ったと思います。顔の表情は非常にキツいですが、あくまでも表情だけで、実際に話したりすると、そういう印象ではないような気もします」
■限られたページの中で日本の思い出を…トランプ氏夫妻・安倍夫妻の間にある“特別感”
そして、回顧録には、安倍晋三元首相夫妻との交流についても書いています。2019年、日本を訪れた際に行われた非公式の夕食会について、メラニア夫人は「訪日前の打ち合わせで『生魚が食べられないこと』を伝えた。しかし、私は可能な限り、その土地の料理を頂くようにしました。東京での食事は、私の好みに合わせながら、日本料理の最高の味と食感が融合したおいしいものでした」としています。
そして、「安倍元首相と昭恵さんと4人で、大相撲を最前列で観戦しました。取組後、ドナルドが伝統的な儀式用のスリッパを履いて土俵に上がり、優勝力士にトロフィーを渡しました。観衆の反応は今でも忘れられない」とも綴っています。
また、安倍元首相の訃報については、「2022年、安倍氏が暗殺されたことを聞き、深い衝撃と悲しみを覚えた。素晴らしい指導者であり、ドナルドとの関係は本物だった。より多くの国がそのような関係を築けば、世界は間違いなくより良いものになるでしょう」と語りました。
Q.トランプ氏と安倍元首相は、相当馬が合ったんですよね?
(デーブさん)
「世界中のVIPと会っているのに、安倍元首相との話を入れているわけですし、しかもわりと長い文章ですから、特別感があります。限られたページの中で、あえて安倍さんや昭恵夫人との付き合いや思い出を語るということは、相当印象に残っていたんだなと実感しました」
Q.今度は石破氏がどのように付き合うかですが、どうですか?
(デーブさん)
「メラニア夫人の本の特別版を入手して、サインを貰ったら喜ぶと思います(笑)」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年11月26日放送)