【解説】週末は雨ばかり…布団“部屋干しのススメ” 意識すべきは「いかに空気にさらすか」
東京都では、今週末もまた雨が降るということです。布団をどうやって干すか、困っている人も多いのではないでしょうか。
●週末は雨ばかり
●プロおすすめ「部屋干しのコツ」
●悪徳商法にも注意
以上のポイントを中心に詳しく解説します。
東京都心の週末の天気を4月15日(土)から見てみると、雨や曇りが多いです。今週末も、土日ともに雨が降る予想です。そうなると、困るのが洗濯物です。特に布団は、やはり外で干してお日さまのにおいをたっぷり吸わせて、それに包まれて眠るのが最高の幸せという人も多いのではないでしょうか。このような天気が続くと困ります。
本来、布団はどのくらいの頻度で干したらいいのか、「日本ふとん協会」に聞きました。目安は、中綿が綿の場合で週に1~2回程度・片面2時間くらい、羽毛の場合は月に1~2回程度・片面1時間くらいだということです。
頻度とともに、干すタイミングも重要です。適しているのは「天気の良い乾燥した日」です。当たり前のようですが、大切なのは、大雨や雨が続いた翌日に「やっと晴れた!」というタイミングで干すのは、実はNGだということです。空気の中に湿気が多いので、雨の直後の“晴れ”は避けた方がいいそうです。
「そんな頻繁に干せない」との声も聞こえてきそうですが、長期にわたり布団を干さないと、アレルギーを引き起こすおそれもあるといいます。人は寝ている間、一晩でコップ一杯分の汗をかくとされています。つまり、汗による湿気がカビやダニ発生の原因になるのです。何の対処もしないと、それがアレルギーの原因にもなります。
街で皆さんの布団事情を聞きました。
60代
「天気が良ければ、毎日干します。干した時、寝た感じのふかふか感が良くて」
80代
「ベランダまで持っていかれないもん、布団重いから」
60代
「面倒くさいよね。若い時はそんなに重くなかったけど、年をおうごとに大変になりますね」
日本ふとん協会によると、カバーなどを含む布団の重さは、“軽量化されたもの”で羽毛掛け布団は約2キロ・敷布団は約4キロだということです。“昔ながら”の、中綿が綿100%のものになると、掛け布団は約5キロ、敷布団は約7キロだといいます。
これほどの重さになると、寝床から庭やベランダに運ぶだけでも大変です。では、どうしたらいいのか、整理収納コンサルタントの金内朋子さんに聞きました。
意識すべきなのは「いかに布団を空気にさらすか」だということです。日光ではなく、空気なのです。つまり、“室内でもいい”ということです。その方法を教えてもらいました。
●いすを使う
2つのいすを背中合わせにして、その上から覆うようにして布団をかけます。そうすると、空気の通り道ができて乾きやすくなります。
●物干しスタンド
室内用の物干しスタンドに、布団がM字になるようにかけるのがポイントだといいます。
●布団の下にカゴ
布団を持ち上げるのもつらい場合の方法です。布団の下にカゴを置いて隙間をつくります。これだけでも空気の通り道ができるので、有効だということです。高齢者の方にも楽な方法ではないでしょうか。
これから梅雨の時期を迎えます。梅雨時は空気中の湿気が多いので、これらの方法に加え扇風機をあてることや、除湿器をそばに置くといいそうです。とにかく「敷きっぱなしにしない」ということで、体に触れる部分に風をあてることが大事です。布団をめくっておくだけでも、湿気は減るそうです。
ただ、これらの方法でも、布団干しがつらいという高齢者もいるのではないでしょうか。高齢者を対象に定額で「布団乾燥サービス」を行っている自治体があります。
例えば東京・中央区の場合、区の委託業者がふとん乾燥消毒車で午前中に家に訪問して布団を預かり、夕方までに返すというシステムです。対象は65歳以上の1人暮らしか、世帯全員が65歳以上の人です。月1回、310円で実施してくれるそうです。(※課税世帯の場合・事前申請必要)
こうした布団乾燥のサービスを行っている自治体はかなりあり、住んでいる地域で調べてみてもいいかもしれません。
例えば、「無料で布団をクリーニングします」といって布団を預かってから、「布団がいたんでるから洗えない。買い替えた方がいい」などと言って高額商品への買い替えや布団修理の契約などを迫るといった手口があるということです。
少しでも不安があったら、自治体に相談した方が良いです。日本寝具寝装品協会は、このような電話や訪問があっても絶対に取り合わないよう注意を呼びかけています。
(2023年5月12日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)