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【冬に注意!】“糖尿病”への新対策 血糖値の“見える化”で生活習慣を改善!『every.特集』

2024年2月10日 12:00
【冬に注意!】“糖尿病”への新対策  血糖値の“見える化”で生活習慣を改善!『every.特集』

去年12月。国際医療福祉大学三田病院の糖尿病内科を訪れた西村剛さん。40代から糖尿病の治療を続けている。定期検診の結果、血糖値は154mg/dL。夏に比べ血糖値が高くなっていた。主治医の坂本昌也(さかもと・まさや)医師は…「だいたい上がってるのは、秋口から冬」だという。

空腹時の血糖値、126mg/dL以上が糖尿病の診断基準。その可能性がある予備軍も含めると、20歳以上の、およそ4人に1人といわれる糖尿病。血糖を下げるインスリンというホルモンの働きが悪くなるのが主な原因で、血糖が高い状態が続くと、次第に血管がダメージを受け、放っておくと細い血管が集まっている、目、手足の神経、腎臓などに悪影響を及ぼし、重篤な症状が出てしまうこともある。

12月に血糖値が高めになったという西村さんに坂本医師は・・・

「食欲の秋から食事が増えて、冬は運動も少なくなり、体重が増えることが多く、冬場は糖尿病が悪くなり発症しやすい時期だと私たちの研究でわかった」と話す。

研究によると、血糖値が高くなる傾向がみられたのは、12月から2月の冬場だったという。生活習慣が乱れやすい冬場は、一般の人も注意した方がいいそう。

「実際は“かくれ糖尿病”があるんじゃないか。早いうちからの予防が特に重要」

では、血糖値を抑えるためにはどうすればいいのか。糖尿病を患う、西村さんの生活改善方法を取材した。

坂本医師のアドバイスで一番気をつけているのは、食事。糖質を抑えるため、野菜を多くしたり食物繊維が多く糖質の吸収がゆるやかな芋を食べるようになったという。注意すべきポイントについて、坂本医師は「塩辛いと食事が進んでしまう。塩分も減らして、食事量も減ると理想的」だと話す。

さらにもう1つのポイントは、食後の運動。坂本医師によると「食後1時間半~2時間くらいで血糖値は高くなる。そこで少し体を動かすことが大切」だという。

西村さんは、食後になるべく外出して早歩き。駅ではエスカレーターは使わずに階段を使うなど、ちょっとした心がけで運動量を増やすようにしていた。

そして、手軽に改善出来る生活習慣が、お風呂。お風呂に入るとカロリーの消費につながるため、特に気温の低い冬は夕食後の入浴で代謝が上がりやすく血糖値改善にはいいという。

生活習慣の改善で下がる血糖値、ただ本当に下がっているのか、すぐには実感できない。そこで、今注目されているのが血糖値の「見える化」。血糖値を24時間測ることができる持続血糖測定器(保険適用)を腕などに貼りつけると、そのデータをスマートフォンで見ることが可能に。まさに「見える化」だ。何を食べると血糖値が上がりやすいか細かくわかり、メニュー選びに役立つのだという。こうした“血糖値の見える化”を、より多くの人に役立てようと、新たな取り組みも始まっている。

糖尿病患者9万8千人以上の大規模データベース作りに取り組んでいるのが、糖尿病情報センターの大杉満(おおすぎ・みつる)医師。「薬を追加した時に本当に血糖値がよくなるのか検証できる」と話す。

大杉医師の元に通う土居さんは、血糖値の見える化で糖尿病が改善した患者の1人。土居さんは持続血糖測定器をつけて、血糖値をコントロールしている。

この日の昼食は、ご飯の代わりに細かくしたこうや豆腐とカリフラワー。そこに低糖質のカレーをかけ、チーズをのせた特製カレー。好物のカレーにスパイスを加えるなどして、味の変化を楽しむのが続けるコツなんだとか。土居さんは血糖値の見える化で食生活を見直し、血糖値が抑えられたことで、薬を飲まなくてもいい状態になったそう。

大杉医師は「薬はあくまで補助。大切なのは、食事をどうしているか体をどう動かしているのかが大事」だという。

冬場は食事量が増えやすく、運動量が減る季節。ちょっとした生活習慣の改善で冬場の糖尿病リスクを減らすことができると医師たちは話している。

※詳しくは動画をご覧ください。(2024年2月9日放送「news every.」より)