【嗜好品】チョコやナッツなどを上手に取り入れて…高血圧や糖尿病など生活習慣病予防
生活習慣病予防のため、埼玉県の戸田中央総合病院で日本で初めてとなる「嗜好品(しこうひん)外来」を開いた内科医の椎名一紀(しいな・かずき)さん。
「薬を飲むほどではないけど血圧がちょっと高いとか、悪玉コレステロールがちょっと高いとかそういう方が“嗜好品”で生活習慣病の予防ができないか」という。
高血圧や糖尿病の予防には甘みが少なくカカオが多く含まれる高カカオチョコレート。脳卒中の予防には、赤ワイン。心臓病予防には青魚や、塩分のないナッツなどを勧めている。
嗜好品外来とは、こうした食品を上手に取り入れて生活習慣病の予防につなげようというもの。ただし、食事はバランスが大切で、それだけ食べていればいいというものはないとのこと。
また、高カカオチョコレートは普通のチョコに比べて脂質が多く高カロリーで、利尿作用や興奮作用のあるカフェインなどが多く含まれている。ナッツもカロリーが高く、塩分過剰になるリスクもあるため、どちらも食べ過ぎには注意が必要。そのため嗜好品外来では、1人1人の状態に合わせ、適切な量をアドバイスしている。
「コロナ禍で家に長い間いると食生活が乱れ運動不足となり、血圧が上がったり糖尿病が悪化したりする方が多い」ということで、コロナ禍の今、こうした身近にできる予防が特に大切だという。
運動量が減ると生活習慣病になりやすくなり、放っておくと心筋梗塞や脳梗塞になるリスクが高まると言われていて、椎名医師は病院の外にも飛び出し普段の食生活の見直しを広く呼びかけている。
椎名医師が紹介していたのは、カカオが多く含まれている高カカオチョコレートの研究結果。347人が高カカオチョコレートを毎日25g、4週間食べ続けたところ、血圧が正常な人たちでもわずかに下がり、高血圧の人たちは大幅に下がったという。
実際、椎名医師の指導で血圧が下がったという80歳の女性も。その指導というのが、高カカオチョコレートを毎日25g食べること。ただ、毎日とあって女性は飽きないようメニューを工夫していた。高カカオチョコをおろし器で削り、納豆にふりかけてチーズトーストに。コクが出ておいしいという。低カロリーな大豆ミートを使ったチンジャオロースにも高カカオチョコレートをふりかけていた。こちらもチョコの苦みで味に深みがでるそう。
一方、一時的に高血圧になることがあり不安があるという84歳の女性は、椎名医師から、高血圧や血流改善の効果が期待できるとリンゴを勧められ、1日1個食べるように。さらに、心臓病予防によいとされる、ナッツ(塩分のないもの)を1日およそ25g食べるようにしていた。ただ、ナッツはカロリーが高いと食べ過ぎに注意しているそう。
※詳しくは動画をご覧ください。(2023年1月30日放送「news every.」より)