ジャイアンツに“女子チーム”誕生!亡き父が残した思いを胸に夢をかなえた注目選手
今年11月。東京ドームのジャイアンツファンの前で紹介されたのは、総勢20人の女性選手たち。来年から女子チームを本格始動させ、年間を通じてリーグ戦を戦いながら年に一度の全日本選手権で日本一を目指す。
初代監督でジャイアンツ元投手チーフコーチの宮本和知さんが活躍を期待するのは、京都文教大学のキャプテン・中村柚葉選手。走・攻・守の三拍子がそろった中村選手の武器は、遠投88メートルの強肩と力強いバッティング。小学2年生の時に兄の影響で野球を始め、小学生の頃からの楽しみは、父・達也さんと東京ドームでジャイアンツ戦を観戦すること。多い時は週に1回のペースで通っていた。ところが、女子野球の名門高校へ入学する直前に達也さんが他界。
「自分の中で一番力が入っていた高校野球を見てもらうことができなくて残念だった」。
そして最近、父親が11年前に記した“ある日記”を発見。中村選手が小学4年生だった時の授業参観のことが書かれていた。
娘が「ジャイアンツに入りたい」と言ってひと笑いを取ったというその日の日記に、父は【将来の夢はでっかくジャイアンツ入り、とか。2人ともガンバレよ~】
中村選手がいつも使っている野球バッグには、父の写真を入れている。
「野球を与えてくれたのは父、常に忘れないようにという気持ちで入れている」。
女子野球界でも注目の選手に成長した中村選手に、夢を実現するチャンスが訪れる。ジャイアンツが「女子チーム」を新たに創設し、入団テストに挑むことを決意したのだ。
入団テスト当日。全国の高校・大学・社会人およそ100人の応募の中から最終選考に残った選手たちの中で、一番自信のあるショートの守備と身体能力の高さをアピール。その3日後。ジャイアンツから合格の通知が届き、父が日記に綴っていた【夢はでっかくジャイアンツ入り】をかなえた。
幼い頃に父と何度も通った東京ドーム。スタンドで母・雪野さんと、父・達也さんが見守る中、満員のジャイアンツファンの前に笑顔で登場した中村選手。
「ここからスタートだという気持ちで、今は緊張と少しワクワクしています」
何枚も母のカメラに収まった、中村選手のユニホーム姿。父と見た夢の続きは、これから始まる。
※詳しくは動画をご覧ください。(2022年12月14日放送「news every.」より)