相次ぐ大雨災害…防災・減災に向けた取り組み 「電柱」にカメラを設置
県内は今年も大雨による被害が各地で相次いでいます。
年々激甚化している大雨災害。
防災、減災につなげるため、いま「電柱」の活用が進められています。
日本中いたるところにある「電柱」。
市街地はもちろん、農地や山林など、電気を必要とする様々な場所に設置されています。
電気が流れている電線に人が触れられないよう、高いところを通すコンクリートの設備で、木を用いたものは木柱といいます。
東北電力グループでは、新しい「電柱」のサービスを始めました。
田村修アナウンサー
「あれ…ですかね、あれですね。あ、白いボックスにカメラって書いてあります。確かに、電柱の高い位置にカメラが取り付けられています」
取り付けられているのは、小型のカメラです。
大仙市刈和野の「土買川」と、その支流の「大佐沢川」の合流点です。
くぼんでいる地形から、この辺り一帯は大雨が降ると度々水に浸かってしまうと言います。
このため、大仙市が、水位を監視するカメラを、去年9月、「電柱」に取り付けました。
カメラで撮影した平常時の様子と比べると、先月9日の大雨の時はみるみる水位が上がり、一帯が、にごった川の水で覆われました。
去年7月の記録的な大雨の際は、周りの住宅にまで水が押し寄せたというこの場所。
大仙市では、このカメラで水位の上昇を確認することで、排水作業を今までより迅速に行えるようになったほか、避難指示を出す判断材料の一つにもしています。
カメラを取り付けているのは、東北電力のグループ会社、仙台に本社がある「東北送配電サービス」です。
飯田隆 電柱広告部長
「私のところの部門ではですね、昔から電柱広告というような、電柱につける広告看板ですね。あのよく街中でみかけるような、ああいった事業をやっていたんですよ」
電柱は昔から、電線を支えるほかに、様々なお知らせの場として利用されてきました。
例えば、住所の表示。
会社や団体の広告の場として、そして。
飯田部長
「ちょっとこちらご覧になっていただきたいんですけど、これも電柱広告の一種なんですよ。これあの避難誘導の表示をしているわけなんですけども、地域のみなさんに安心安全をお届けしつつ、企業PRもできるというようなタイプの電柱広告ですよね」
東日本大震災以降は、津波避難ビルや浸水時の水深など、命を守るための情報を、「電柱標識」として、自治体からの依頼で掲載するケースが多くなりました。
新たにスタートした電柱へのカメラ設置のサービスは、広告同様、電柱の空いているスペースを活用した取り組みです。
カメラを高いところに取りつけて、防災・減災に役立ててほしいというねらいがあります。
県内は、近年、大雨で毎年のように川が氾濫しています。
東北電力の電柱は、秋田市内で約5万本。
県全体では30万本にのぼります。
飯田部長
「各地域、自然災害というものが激甚化してきておりますし、どこで発生するかも分からないということですから、こういった設備を使って防災・減災につなげていただければいいかなと思います」
東北送配電サービスのカメラを電柱に設置しているのは主に自治体で、大仙市では、この先も少しずつ水位を監視するカメラの台数を増やして、大雨への備えにつなげることにしています。