専門技術を活かしたボランティア活動 消防士で組織されたボランティア団体「ワン東北秋田支部」
先月の大雨による住宅への被害は300棟を超えていて、いまも復旧作業が続いています。被害に遭った人たちを支援しようと、県内の消防士でつくるボランティア団体が、日々の業務で培った技術を生かして活動しています。
由利本荘市の鮎川地区です。先月の大雨で一部の住宅に土砂が流れ込み、住民はいまも片づけに追われています。
由利本荘市では平日の一般のボランティアの受け付けは先週で終わりましたが、平日の26日も作業を続けている人たちがいました。
作業中のメンバー
「普段私消防署で働いてて、救急車とか消防車とかレスキュー隊とかやったりしてます」
別の作業中のメンバー
「地震で、火災、救急とかそういう災害はもちろんですけど、土砂災害とかですねそういうのも勉強会でやったりとかは」
災害対応のエキスパート、現役の消防士で構成されたボランティア団体「ワン東北秋田支部」のメンバーです。消防士としての経験を復旧の支援に生かそうと今年2月に団体を立ち上げました。
先月の大雨で流れてきた大きな木の撤去を依頼され活動しました。ワン東北のメンバーは一般のボランティアが扱うことができない機材などを使った作業も担います。これらの技術は日々の消防業務で培ったものです。
原田和弥さん
「よくあるのが流木とかで道路ふさがって道通れないとか、そういう119番通報はよく私たちもあるのでってなるとやっぱり使うのはチェーンソーなので、チェーンソーの技術もないと実際の災害現場でもなかなか対応できないので」
■去年7月 五城目町の写真
ワン東北の秋田支部の設立のきっかけは去年の五城目町の大雨被害でした。メンバーの1人の住宅が浸水し、消防の仲間が協力して片付けにあたった時に自分たちのノウハウがあればより早い復旧につながるのではと考えたといいます。
■9日 由利本荘市久保田地区
いまは40人の消防士が活動しているワン東北秋田支部。先月の大雨の直後に本格的に活動を始めました。社会福祉協議会を通じて要望を受け付けています。
■9日 被災した中道さん
メンバーはそれぞれの消防の仕事が休みの日に由利本荘市を中心に活動を続けていて、希望に応じて県内どこにでも出向く方針です。自身が被害にあった経験を活動に生かしているメンバーもいます。
中道聖也さんと住民の会話
「こういったデブリ(流木)って呼ばれるもの私たちの方でできれば除去していってきれいな姿に戻して、被害があったことを思い出させないような景観にしたいなと思っています。」
大雨の発生から1か月が過ぎましたが、ワン東北のメンバーのもとには今も毎日のように土砂や流木の撤去の依頼が寄せられています。
原田和弥さん
「実際、私たち消防士の現場活動にもすごい通ずるものがあって、ボランティア活動を通して住民の方々の少しでも助けにもなりますし、私たちの現場活動の知識・技術の共有にもできると思ってますので、これからも継続してボランティア活動続けていきたいと思ってます」
まだまだボランティアの支援が必要な地域があり、ワン東北はこれからも活動を続けていくことにしています。