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“さらば河村市長”最後の登庁日、15年半の任期に「精一杯やった」 市議会は辞職に反対「職責放棄以外の何物でもない」、名古屋城木造化計画はどうなる?

2024年10月11日 20:27
“さらば河村市長”最後の登庁日、15年半の任期に「精一杯やった」 市議会は辞職に反対「職責放棄以外の何物でもない」、名古屋城木造化計画はどうなる?

2024年10月11日、衆院選への出馬を表明している、名古屋市の河村市長がついに最後の登庁日を迎えました。自らの4期15年を、「精一杯やった」と振り返った市長。しかし、残していく課題もありました。

「職責放棄」議会は河村市長の辞職を認めず

10月11日午前9時半頃、名古屋市東区。「最終登庁日ですがお気持ちは?」という質問に対して、「15年半、名古屋のみなさんにお世話になった」「ありがたかった、サンキューベリーマッチ」と応えた、名古屋市の河村たかし市長。名古屋市役所に来るのは、今日が最後です。

衆院選への出馬のため、10月9日に辞表を提出した河村市長。副市長など職員から花束が贈られると、渡された花束を手に、「思い出すな。メダルをかんだのはこの部屋だった」と答えました。

一方、市議会では任期途中での河村市長の辞職を認めるか審議が行われていました。成田隆行市議は、「任期を残したままやりきったと、急いで退職しようとする河村市長の振る舞いは、職責放棄以外の何物でもありません」、木下優市議は、「自らが引き起こした数々の問題を収束させる事なく、市政を投げ出すような議案に同意することは到底できません」と発言。

田中里佳議長の「賛成の方の起立を求めます」という呼びかけに対し、結果は“少数起立”。田中議長は「起立少数であります。よって本件は同意しないことに決定いたしました」と述べ、議会は河村市長の辞職を認めませんでした。

15日の衆院選への立候補を受けて、河村市長は“自動失職”になる見込みです。

名古屋城木造化計画はストップ状態

2009年、60歳の時に名古屋市長に初当選した河村市長。市民税減税や市長の年収を3分の1にすることなどを目指し、名古屋市長として歩みを進めました。

自身の試みに対し、「織田信長が生きていたら喜ぶと思いますよ」「庶民革命、減税。楽市楽座と同じだもん」と答えていた河村市長。議会との激しい議論の結果、市民税について一定の減税を行いました。

その効果として、減税で経済が活性化し、結果的に名古屋市の税収が“日本で1番伸びた”と主張。作詞を担当した自身の歌手デビュー曲「何をやってもしかられる」では、“税収の伸び率 日本一になって みんながどえりゃあええ感じになったのによう”と歌い上げました。

しかし、10月9日に行われた委員会で、田口一登市議は「五大都市の中でも、名古屋市の税収の伸びは3番目。指定都市の中では真ん中らへんだもんね」、西川学市議は「どうして名古屋が1番と言えるのか」と発言。河村市長が市長になってからの税収の伸び率は、政令指定都市の中で、中位程度であったことが指摘されました。

また、残された課題も。それは、河村市長肝いりの政策、名古屋城天守閣の木造化計画。2019年、河村市長は同計画について、「私ひとりでは切腹しません。関係者全員切腹です。木造が造れんようになって、間に合わなくても同じですよ」と答えていました。

2022年までに実現できなければ、全員切腹と話していましたが、現在、名古屋城の天守閣は、「工事中」とされており、入ることができません。エレベーター設置に関連する差別発言問題などで、木造化計画はストップしている状況。

名古屋城に訪れた観光客からは、「見たい!見たいよね~すごい残念です」「今の状態では上がることはできないし、どうするのかな。あのままいつまで放っておくのかな」など声が寄せられました。

自らが行ってきた政策に対して、「楽しかった。減税も続けてもらわないといけない」「お城の天守は本当を残すというのはやってほしい」と答えた河村市長。

河村市長が立候補を表明した「愛知1区」では、自民党の熊田裕通氏、立憲民主党の吉田統彦氏、日本維新の会の山本耕一氏の3名が立候補を予定しています。

木材保管料は年間約1億円

河村市長肝いりの名古屋城天守閣の木造化計画。計画がストップしていることで、毎年かかる費用があります。これまでに購入した木材の保管料にかかった費用は年間約1億円。

木造化の計画自体は今後どうなるのでしょうか。名古屋市長選挙に立候補を予定している人に聞いてみました。

前副市長広沢一郎氏、政治団体代表・西田礼孝氏は「河村市政を継承」、参議院議員・大塚耕平氏は現状を精査した上で「実現に向けて努力」、政治団体共同代表・尾形慶子氏は「木造化に反対」と回答。その他、自民党名古屋市議団が出馬要請をしている名古屋市議・横井利明氏は、出馬表明をしていない段階のため「コメントできない」と答えています。

名古屋市長選挙は、11月中旬から下旬に行われる予定。来週には日程が決まる見込みだそうです。

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