授業方針も売店運営も生徒自らが行う “自主性”を伸ばす驚きの教育方法とは?
生徒たちの自主性を育てるために考えや行動を尊重し実現させる、そんな教育を行っている学校がありました。生徒たちはどんな学校生活を過ごしているのか? 伊藤大海アナの取材です。
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伊藤アナが訪れたのは東京・調布市にある中高一貫の学校です。この学校では、生徒たちの探究心を伸ばすために独自の授業形式をとっていました。
理科の授業を見てみると、教科書通りに教えるのではなく、先生は授業で学ぶべき大きなテーマを設定するだけ。どうやって授業を進めていくのかは、生徒自身が課題や学ぶべきこと、かける時間を考えて、組み立てていきます。
ドルトン東京学園理科担当 伊東佳奈美教諭
「住という大きなテーマの中で、自分自身でテーマ決めをして、さらに詳しい問いを立てて実験をしたり、何かを作ったりしていく中で理科のことを学習しようと」
今回のテーマは「住」。取材したグループの生徒たちは、このテーマを考え、学ぶために、まずは“理想の間取り”を書いていました。この“間取り”をもとに、自分たちなりの授業を作っていくのです。
続いて伊藤アナが案内されたのは図書室の自習スペース。そこでは数学の授業が行われていました。
伊藤大海アナ
「数学を図書室でやるんですか」
ドルトン東京学園 数学担当 師岡洋輔教諭
「いつもは部屋で取ってやっているんですけれども、各自で向き合ってやる時間も取れればっていうふうに計画しています」
生徒がリラックスして学ぶことができるように授業内容に合わせて教室を柔軟に変えるようにしているのだそうです。また、問題は一人で解くだけでなく、みんなで教えあって解いています。これは解決力を伸ばす狙いがあるそうです。
生徒たちは、何事も自分で考え行動するようになったといいます。その理念が形となったものが、校内にありました。
伊藤大海アナ
「こちらのスペースはどういった場所でしょうか」
ドルトン東京学園 安居長敏校長
「生徒がいろいろ、こういうのあったらいいよねっていうアイデアを出して実現したお店です」
なんと、生徒たち自ら企画・運営している無人店舗がありました。通称「スマートストア」。きっかけは、校内に学食や給食がないことから、軽食やお菓子、文具などを販売する店舗を作ろうと、生徒たちが声をあげたことによるものでした。自らが店舗を運営することで、経営の勉強にもなっているといいます。
伊藤大海アナ
「やっぱりこういうところもドルトン東京学園ならではという感じ?」
高等部1年生 運営スタッフ 中西亜理彩さん
「普通は多分、普通の学校行っちゃうとそれはできないからとか言われるんですけど、ここではそれを応援してくれたり、助けてくれたりする」
高等部2年生 運営スタッフ 北沼美侑さん
「生徒が毎日ここの場所に来て、ここを求めてくれてるっていうことにすごく喜びとか達成感みたいなものは感じています」
「スマートストア」には、どんな商品が欲しいのか、どんな運営をしてほしいのかリクエストを募る意見ボードを設置しています。こうした意見を参考に、生徒たちが商品の発注や補充を行うといいます。
学校が目指す新しい教育の形。そこには生徒たちに託すある思いが…
ドルトン東京学園 安居長敏校長
「その場その場で判断していくためには、自分で考える・自分で行動する習慣をつけないと駄目だと思うので、それを学校の中でリアルにやっています。これからの時代、学校の先生が言うことを信じてばかりではちょっと難しいかな」
生徒たちの社会進出のために、個性や考え方を最大限に尊重し、伸ばしていくことが大切なようです。