日光が視力低下を“抑制”「バイオレットライト」浴びて…
スマートフォンなどの使用が増える中、視力の低下や目の疲れを感じている人が増えているといいます。そんな中、視力低下の進行を抑えるために日光が重要だという研究結果があるそうです。日光に含まれる光の一種「バイオレットライト」が近視の進行を抑えるということです。
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テレワークやスマートフォンの使用が増える中、気になるのが…
50代
「最近目が見づらいですよね。視力は落ちてます。パソコンとか見ることが多いので、スマホとか」
20代
「確かに(目が)疲れやすいかな。リモート勤務とかもしているので、パソコンを多く見る機会は増えた」
視力の低下や目の疲れを訴える声が聞かれました。
こうした目の異変は、子どもでも起きていました。眼科を受診した小学6年生。最近、時計の針が見えづらいといいます。
医師
「きょう、どのようなことで来ましたか?」
小学6年生
「目が悪くて…」
医師
「最近見づらくなった?」
小学6年生
「はい」
検査の結果、裸眼で左右0.08。近視が進み、1年前に作ったメガネを作り直すことになったのです。
受診した小学6年生
「ゲームが好きで。たくさんゲームをしてしまったから、目が悪くなったんじゃないかなと思っています」
子どもの視力低下が増えていると指摘する医師は…
だんのうえ眼科クリニック 壇之上和彦理事長
「コロナもあって、タブレットの端末を見る時間が非常に増えてきている。(また)外でなかなか遊ぶことができなかったということもあって、非常に近視が進んでしまった」
放っておくと失明の恐れもある近視。小学生のうちに対策しておくことが大切だといいます。
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文部科学省は23日、初めて実施した子どもの近視の実態調査の結果を公表しました。
裸眼視力が1.0以上の割合は、小学1年ではおよそ8割でしたが、中学3年ではおよそ4割まで減少。学年が上がるにつれて、視力が低下する子どもが増えていたのです。
小学校では、どのような取り組みを行っているのでしょうか。
都内にある宝仙学園小学校の小学2年生のクラスでは、タブレット端末を使った国語の授業が行われていました。画面に目を近づける子どももいます。すると…
先生
「はい、パットしまってください」
この学校では、タブレットは時間を区切って利用しているといいます。
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子どもの視力低下を防ぐための研究が進んでいます。
慶応義塾大学名誉教授・坪田ラボCEO 坪田一男医師
「最も重要なことは外に出ることです。お外にはバイオレットライトという特定の波長の光が存在するんですが、部屋の中には全くない。だから、このバイオレットライトを浴びるためには外に行かなければならない」
慶応義塾大学の研究チームは、日光に含まれる光の一種「バイオレットライト」が子どもの近視進行を抑えることなどを確認しました。大人も、外に出てバイオレットライトを浴びることで、近視が改善する可能性があるといいます。
大手メガネメーカーは、バイオレットライトに注目した商品を開発しました。
JINS・渋谷店 本宮俊裕店長
「紫外線をカットしてバイオレットライトを目に取り込むレンズです」
このレンズは、紫の光「バイオレットライト」がレンズを通り抜け、ブルーライトや紫外線はカットされているといいます。
このレンズは子ども用のほか、いまでは大人用も販売しているということです。