【備え】市内のすべての小中学校の体育館に空調設備 ガス式・電気式の2種類を導入した理由
福岡県宗像市で今年度から、すべての小中学校の体育館に空調設備が導入されました。その狙いは。
■日の里中学校・佐々木真理子校長
「きょうは体育館の空調にスイッチが入る記念すべき日です。」
宗像市はおよそ19億円をかけて、市内に21ある小中学校の体育館すべてに、空調設備を整備しました。
■生徒
「快適な環境で式や体育の授業を受けられることがとてもうれしいです。」
「(暑くて)具合が悪くなることもあったので、体育館に空調がついたことで過ごしやすくなったからいいなと思います。」
子どもたちは、夏の暑い時期の授業も安心だと喜んでいます。
整備の背景には、子どもたちの教育環境の充実のほか、災害時の避難所としての機能を強化する狙いがあります。
■宗像市・伊豆美沙子市長
「未曽有の、そして予期することもなかった万が一に備えて、設置が必要だと思いました。」
文部科学省は、学校体育館の避難所機能の強化を掲げ、2035年度までに全国の95%の体育館に空調設備を整備することを目指しています。去年9月の時点で整備が完了した体育館は全体の18.9%ですが、福岡県はそれを大きく下回る3%にとどまっています。
宗像市は、去年1月の能登半島地震を受けて整備を急いだということです。
■伊豆市長
「もう1年早く設置しておけばよかったという事態が起こるのであれば、早くやろうということで。」
宗像市が導入した空調設備は2種類あります。中学校にはLPガスを発電用タンクに常備した「ガス式の空調設備」、小学校には「電気式の空調設備」を取り入れました。災害時にいずれかの空調設備が稼働できるよう対策し、地域の防災機能を強化しました。
宗像市は、暑さや寒さで避難所を敬遠する人もいるとして、今回の整備で体育館が地域の防災拠点になればと話しています。