【なぜ】厳しい残暑の中…エアコンが急に故障 犯人はゲリラ豪雨?「雷サージ」が起きたか 対策は 福岡
厳しい残暑が続く中、気をつけたいのが天気の急変です。福岡市でも落雷が相次いでいます。雷が危険なのは屋外と考えられがちですが、屋内の電化製品が故障することもあります。注意が必要な「雷サージ」とは。
13日、福岡市西区愛宕浜の住宅を訪ねました。
■加藤康夫さん
「このエアコンですね。完全に故障していて、ブレーカーが落ちてしまっています。」
暑さが続く中ですが、エアコンが故障してしまったのです。その原因とみられているのが。
■加藤さん
「火曜日の午後3時くらいに落雷があって、故障したみたいです。」
エアコンが壊れたのは今週火曜日の午後でした。ほぼ同時刻に福岡市内では天気が急変し、落雷が相次ぎました。福岡空港の近くでは信号が消え、警察官が車を誘導していました。
エアコンの故障は落雷が原因なのでしょうか。加藤さんのエアコンを調べた業者の点検記録には「落雷によるエアコン不良」の文字がありました。この業者によりますと、加藤さんが住む愛宕浜地区では、ほかにも電気系統のトラブルの相談があったといいます。
■加藤さん
「こんなことになるなんてまったく予想していなかったのですが、まして落雷で壊れるなんて考えもしていなかったです。」
落雷のメカニズムに詳しい専門家は、ある可能性を指摘します。
■防衛大学校・小林文明教授
「おそらく雷電流が家の中に入り込んできて、異常な電流が流れて電化製品に悪さをする、電子部品を壊してしまう。そういう現象だと思います。雷サージという言い方をしています。」
「雷サージ」とは、例えば雷が電柱に落ちたとします。これが電線などを通って大きな電流が家の中に入り込み、屋内配線を伝って電化製品へ。これで電化製品が故障する場合があるのです。
小林教授によりますと、ことしは全国的に雷が多発しているといいます。
■小林教授
「異常な積乱雲、巨大な積乱雲がボコボコ湧く。雷も結構集中する。1個の積乱雲で10回、100回じゃない。数千回、1万回の雷が集中する。」
相次ぐ雷、どのような対策が必要なのでしょうか。
■カノデンキ・松岡義展さん
「雷の音が急に多くなった、近くに感じたら可能な限りコンセントを抜くことが一番です。」
コンセントを遮断しておけば、雷が落下したとしても影響を避けることができます。ただ、すべての電源ケーブルを抜くのは簡単ではありません。
■阿部まみアナウンサー
「雷から守ると書いています。」
■松岡さん
「これ自体に、雷の過電流を通さない仕組みが入っています。」
市販の保護機能付きの電源タップを取り付けることで、雷による高圧電流を抑えることができ、故障のリスクを減らすことができるということです。
来週にかけても厳しい残暑で天気が急変する可能性があり「雷サージ」にも注意が必要です。
雷による電流はVTRでお伝えした電源ケーブル以外にも、電話線やパソコンのLANケーブルからも流れてくる可能性があります。
対策としてケーブルを抜くとお伝えしましたが、今まさに雷が鳴っているというタイミングでは感電の恐れがあるので、ケーブルなどには触らないでください。