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【カスハラの実態】訪問看護に行くとテーブルに包丁が「どこにケンカ売っているんだと2時間」 県警OBが常駐する在宅医療・介護のカスハラ相談窓口を県が開設 福岡

2024年6月7日 20:13
【カスハラの実態】訪問看護に行くとテーブルに包丁が「どこにケンカ売っているんだと2時間」 県警OBが常駐する在宅医療・介護のカスハラ相談窓口を県が開設 福岡
訪問看護の現場で「カスハラ」

客が理不尽な要求や嫌がらせをするカスタマーハラスメント=カスハラが、いま様々な業種で深刻化しています。福岡県は7日、在宅医療や介護に携わるスタッフを対象としたカスハラの相談窓口を開設しました。密室の現場で、ハラスメントは後を絶ちません。

■ライフ訪問看護リハビリステーション・村中剛士代表
「スタッフの言葉遣いが悪いと、恫喝(どうかつ)めいた感じで連れてこいと言われて。私が話を聞きに行ったのですが、強い口調でどこにケンカ売っているんだと1時間半から2時間くらい。」

久留米市のこちらの訪問看護ステーションには、8人の看護師と4人のリハビリスタッフが在籍しています。開業から8年たちますが、“カスハラ”被害は後を絶ちません。

利用者の自宅を訪ねた時に、テーブルに包丁が並べられていたこともあったといいます。

■村中代表
「腰を触られる、手を腰に回されるというのがあると聞いています。卑猥(ひわい)なことを言われたりもあるみたいです。」

こちらの訪問看護ステーションでは、スタッフを守るために顧問弁護士と契約を結ぶなどの対策をとっています。

■村中代表
「自分の身に降りかかった病気を納得できない、認めたくないという思いが強い方が(加害者に)なると思うので、そういう思いは受け止めていきたい。」

「ケア」なのか「ハラスメント」なのか。スタッフは葛藤の中で在宅ケアに従事しています。

福岡県が去年行った調査では、在宅医療や介護に従事する人のおよそ4割が利用者や家族などからハラスメント行為を受けたことがあると回答しました。

このうち4割が、ハラスメントが原因で休職や退職をしたということです。

■服部知事
「暴力、ハラスメントを受けて辞めざるを得ないという事態に追い込まれる。これは極めて深刻な問題。そういうことがない職場環境を業者、現場任せにするのではなく、行政として警察とも連携をとりながら、しっかりと従事者を守っていくことが必要。」

この状況を受けて福岡県は7日、在宅医療や介護の従事者を対象にしたカスハラ相談センターを開設しました。相談は無料で、平日の午前9時から午後7時まで受け付けています。電話番号は0120-111-309です。メールでも受け付けています。

警察のOBが常駐し、緊急性が高いものや悪質なケースについては警察に情報提供し、解決につなげたいとしています。

福岡県は「匿名での相談も可能なので、1人で抱え込まずに相談してほしい」と呼びかけています。

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