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長く続く年賀状文化 伝える形はさまざまに 込める思いもさまざま 福岡

2023年12月15日 17:48
長く続く年賀状文化 伝える形はさまざまに 込める思いもさまざま 福岡
長く続く年賀状文化 伝える形はさまざまに

15日、全国一斉に年賀状の受け付けが始まりました。年々、発行枚数が減少する年賀状ですが、続ける人がいる一方で、やめることを伝える“終活年賀状”を出す人も増えています。

15日朝、福岡市・天神の福岡中央郵便局では、年賀状の受け付け開始に合わせてセレモニーが開かれました。近くの保育園の園児たちが歌を披露し、早めの投函を呼びかけました。

■園児たち
「年賀状は12月25日までに出してください。」

思いを込めた年賀状を出そうと15日、久留米市の絵手紙教室で開かれていたのは、来年の干支「辰」をモチーフとした年賀状作りです。

毎月第1・3金曜日の2回開かれている「絵手紙教室」には、60代から70代までの地元の人が通っています。

ふだんは水彩絵の具を使ってはがきに絵を描いていますが、毎年この時期は年賀状を作っています。

■絵手紙教室講師・向坂万基子さん
「背景を自分たちで考えてオリジナルで作る楽しさを楽しんでもらう。」

生徒は手作りの「辰」をかたどった“消しゴムはんこ”や牛乳パックでできた型などを使い、1枚1枚丁寧に仕上げていました。

■久留米市から(70代)
「年賀状やめようかなと思うけれど、これをもらった人も喜んでくれるだろうなという気持ちになるのが作る喜び。」

■向坂さん
「だんだん年賀状を“自分の大事な方だけにあげたい”と枚数が減っていくかもしれないが、手作りで作る楽しみもあるし、送られた方も喜ばれるというのは残していきたい。」

より気軽に年賀状を送ってもらおうと、福岡市の生活雑貨店「天神ロフト」では、10月中旬から年賀はがきのコーナーを設けました。約400種類の中から、複数パック購入する人が多いといいます。

3枚セット550円のお年玉付き年賀はがきが特に売れているということです。

■年賀状を約10枚出す予定・40代
「(出す相手は)少なくなった。何枚となってしまって印刷するほどない。(Q.だから既製品を購入?)そうです。」

■年賀状を20枚ほど出す予定・中学2年生
「仲いい子は年賀状で、クラスメイトとかはLINEとかで。部活が一緒の子とかに書くんですけど、部活での大会のこととか書いたり、“来年なにしようね”とか書いたりします。」

近年、こだわりの年賀状として注目されているのが、素材などがユニークな“高級”年賀はがきです。

間伐材が使用されていて、送られた人が家の中に飾ることができるものもあります。1枚の単価は200円から500円台で、限られた相手に送るという人が選ぶ傾向にあるようです。

ニッセイ基礎研究所が約5000人を対象に行った調査では、年賀はがきを出した人の割合は2020年には全体の52%だったのに対しおととしは50%、去年は46%と年々減少しています。

年賀状をやめる動きがある中、最近、増えているものがあります。

■吉村史織フィールドキャスター
「こちらの年賀状は文面が特徴的です。“年始のご挨拶状を締めくくりといたしたいと思います”と、こうしたいわゆる“終活年賀状”の種類が増えているといいます。」

翌年以降の年賀状を辞退すると書かれた “終活年賀状”を、この店では去年の2倍となる7種類、販売しています。

これまでは高齢者向けの文面が中心でしたが、変化もあるようです。

■天神ロフト販売促進担当・牛嶋典子さん
「例えば“これからはSNSでのご挨拶にいたします”といったように、中身の文章のバリエーションも増えていて、いろいろな年齢層にご利用いただけるタイプがある。」

相手を思い、新たな年を迎える喜びを伝える年賀状ですが、平安時代から続くとも伝えられるその年賀状文化は、その形を変えながら続いています。

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