【わたしらしく生きる】セーリング・淺田愛子さんの子育てと競技の両立 広島
「わたしらしく生きるプロジェクト」と「テレビ派スポーツ」とのコラボとして、アスリートの「わたしらしく生きる」にも注目していきます。今回のスポーツは「セーリング」です。2人の子育てをしながら競技に励むセーリング選手を、有田優理香アナウンサーが取材しました。
風を操り颯爽と海を進みます。
自然の力を利用して船を走らせる「セーリング」に取り組む淺田愛子さん、38歳です。
3歳と11か月の子どもを育てながら大好きな競技と向き合っています。9月に行われた国民スポーツ大会では5位入賞を果たしました。
■有田優理香
「大会を終えていかがですか?」
■淺田愛子選手
「正直一言で言うとほっとしている。終わったと。今年は2人目を産んでちょうど9か月くらいの試合だったので、赤ちゃんを抱えながら遠征に行ったり半年間バタバタで。思い返すと自分でもよくやったと思う。」
7歳から始めたセーリング。国体に11年連続で出場するなど第一線を走り続けてきました。2020年結婚を機に一度は引退。それでもセーリングへの思いは変わらず第一子を出産後、現役復帰しました。
■淺田愛子選手
「中途半端になるよりは離れたいと思ったときもある。でも海を見るとヨットに乗りたいという思いが強くなった。ママになっても子供を産んでもできることを証明するというか、挑戦したいと思った。」
2023年12月には第2子を出産。そのわずか1か月後からトレーニングを再開し競技に必要な体力を取り戻しました。子どもを見ながらのトレーニングで中断することもしばしば…。それでも、そんな状況をポジティブに変えてきました。
■淺田愛子選手
「実際にあまりトレーニングの時間を取れなかったので子どもたちと遊ぶ中で少しずつ自分のできることを増やしていった。」
淺田さんの1日のスケジュール。出産前は午前と午後の2回に分けた練習でしたが、出産後は授乳や子どもの世話で練習時間は半減しました。
■有田優理香
「2人目出産後は何が大変だった?」
■淺田愛子選手
「2人目になると上の子が走り回るし、下の子は赤ちゃんだから泣いたり授乳もあって自分のことに集中しないといけないけど子どものことも気になるし。」
■有田優理香
「どういうふうに工夫して競技と向き合ってきた?」
■淺田愛子選手
「限られた時間の中で最大限に練習も自分と向き合う。海に出たら気になるけど子どものことは忘れさせてもらって。」
■有田優理香選手
「忘れられるのはサポートのおかげ?」
■淺田愛子
「本当にそう。みんなが見てくれて、練習に行っても夫もそうだし、両親もそうだし、みんなに協力してもらって出られた国民スポーツ大会。」
大会も一段落しました。練習とそれ以外の時間…。出産後の生活にメリハリができたといいます。子どもたちの成長は日々の頑張る原動力です。
■淺田愛子選手
「この子たちがいるから頑張れる。」
■星波くん
「ママ、かっこいい」
■有田優理香
「セーリングの今後の目標は?」
■淺田愛子選手
「お母さんこんなことやっていたんだよと、記憶に残るまでは頑張れたらいい。」
■有田優理香
「淺田愛子さんのわたしらしく生きるとは?」
■淺田愛子選手
「自分の気持に正直に生きていく。わがままみたいに聞こえてしまうかもしれないが、環境があればセーリングも続けたいしそういう環境を作るのも自分自身だと思うので、そういう気持ちを周りにも伝えながら自分でそういう道を開拓できたらと思う。」
そして、子育てをするアスリートにとって大事になるのが「環境面」です。
セーリングでは、国民スポーツ大会で「チャイルドルーム」が用意されています。
2002年から設置されていて、選手はもちろん運営スタッフも利用可能。今年は1日に50人を超える利用があったそうです。環境の整備が進めばより多くの人が長く自分の気持に正直に競技を続けられるかもしれません。
(2024年12月5日放送)