もしも津波が来たら… VRを使って津波を体験する動画を牟岐町が制作【徳島】
■あなたは津波の怖さ知ってますか?
3月11日には地震による津波で多くの命が失われた東日本大震災発生から13年を迎える。
徳島県内でも30年以内に南海トラフ巨大地震が70%から80%の確率で発生すると言われおり、沿岸部では5メートルから10メートルを超える津波の被害が想定されている。
今年正月、石川県を中心に能登半島地震も発生したが、改めて津波被害について…
能登半島地震では奥能登でも 津波があったが高いところへの避難の意識が進んでいたのか被害に合う人はいなかった。
津波から命を守るために徳島県海部郡牟岐町が今年、バーチャルリアリティを使って町にもしも津波がきたらという仮想現実の動画を制作。どのようなものなのか取材した。
■もしも津波がきたら…仮想現実の世界で体験
家の中で家具が落ちたり倒れたり、大きく揺れる地震の映像。
今度は大きな波が目の前まで押し寄せてきます。
これはバーチャルリアリティ=仮想現実の動画です。
牟岐町が東京の印刷会社に依頼し制作しました。
(VR動画を制作した牟岐町デジタル推進課 後戸卓 課長)
「東日本大震災から今年で13年がたちまして、今の小学生や中学生がその地震の恐怖を知らない世代になってきました。どうにか啓発したいなと」
牟岐町は南海トラフ巨大地震が発生すると、県の想定で地震から50分後には最大9.8メートルの高さの津波が町を襲うと想定されています。
動画は牟岐港、大谷避難広場JR牟岐駅の3か所で実際の町並みを元に作られています。
動画と比較するために特別に同じ場所に行ってVRを体験させてもらいました。
ゴーグルをつけると目の前に360度仮想現実空間が広がります。
ここ牟岐港には地震発生から11分で最初の津波が到達すると予想されています。
(豊成春子アナウンサー)
「目の前に津波がやってきました。すごい勢いでやってきました。あ怖い!速さが想像つかないほどでした。想像を絶するほど早くて、視界で津波を捉えてからでは逃げられないんだなっていうのを実感しました」
(牟岐町デジタル推進課 後戸卓 課長)
「やっぱり事前に逃げるということが大事なんだなということを私達も感じました」
津波が発生するとより高い所へ、より早く避難することが重要です。
VR動画で津波被害を再現している大谷避難広場へと避難してみました。
標高12.1メートルからの景色ですが、予想されている最大9.8メートルの大きな津波が到達すると町が完全に津波に飲まれ沈んでしまっています。
(豊成春子アナウンサー)
「実際の発災時はもっと道路や階段が通りにくくなっている可能性がありますし、揺れからくる心理的な動揺があるので、事前の準備っていうのが大事なんだなと思いました」
■スマートフォンからも視聴可能
VR動画を体験した地域の人の感想は・・・。
(牟岐町の人)
「想像を絶するような感じですね。ああこんなにくるんだというように思いました。避難場所等は確実に確保して逃げるように心得をしていきたいと思いました。」
町はVRゴーグルを防災イベントで活用し、地域の人の命を守る行動につなげたいと考えています。
(牟岐町デジタル推進課 後戸卓 課長)
「子どもにも見てもらいました。(Q.どういう反応でしたか?)やはり「怖い」っていうのは一番最初に言っていて、自分の街なので余計にリアルに感じてもらえたのかなと思う。今年できたばかりなので防災教育、中学生を中心に見ていただきたいというのと色んな人にも見ていただいて防災意識の向上につなげたい」
■牟岐町のVR動画は牟岐町HPや公式YouTubeから見ることができる。