「こうのとりのゆりかご」昨年度の預け入れは9人 設置17年間で179人に
29日は、「ゆりかご」の運用について、有識者による専門部会がまとめた検証結果が報告されました。それによりますと、昨年度、熊本市にある慈恵病院が運営する「こうのとりのゆりかご」に預け入れられた子どもは9人で、前の年と同じでした。
内訳は、生後1か月未満の新生児が7人、生後1年未満の乳児と生後1年以上の幼児がそれぞれ1人でした。
また、確認できた情報のうち、居住地は熊本県内が1件、関東と中部地方がそれぞれ2件、不明は4件でした。
預け入れた理由は、「生活の困窮」が最も多く6人でした。
出産した場所は自宅が4件、医療機関が3件、不明が2件でした。
今年度、預け入れられた9人のうち、2人は父母などに引き取られたということです。
今回の検証結果について、慈恵病院の蓮田健理事長は、医療機関で出産した後に預け入れられるケースが目立つとして、開設から17年が経ち、「ゆりかご」に求められる役割に変化が見られると話しました。
■慈恵病院 蓮田健理事長
「私どものゆりかごをはじめとした取り組みは、孤立した女性たちの駆け込み寺です。最後の砦みたいなところです。限界点に達しているわけなので、医療機関で出産した人などもお越しいただいてもいいかと思っています」
一方で蓮田理事長は、預け入れられる施設を全国にいかに広めるかや、成長した子どもの出自を知る権利をどのようにサポートするかが今後の課題だとしました。