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「存在意義は大きい」"赤ちゃんポスト"開設から17年 病院が新たな課題も指摘

2024年5月7日 19:10
「存在意義は大きい」"赤ちゃんポスト"開設から17年 病院が新たな課題も指摘
親が育てられない子どもを匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」、いわゆる「赤ちゃんポスト」。5月10日で開設から17年となるのを前に運営する慈恵病院は、子どもが成長したことによる新たな課題を指摘しました。

熊本市の慈恵病院が日本で唯一運営する「こうのとりのゆりかご」にはこれまで170人が預けられました。
7日に会見を開いた慈恵病院は開設から17年たち、預け入れられた子どもの出自の情報を求める動きが出ていると話しました。

■慈恵病院 蓮田健理事長
「だんだん成長にするにつれて出自情報の開示をどうすべきなのか。そういった整備がこれまでされていなかった、ですので混乱が始まっていると私は感じている」

熊本市と慈恵病院は去年、共同で出自を知る権利についての検討会を設置。いつ、どのように子どもに情報を伝えるかなどを議論していて年内に提言をまとめたいとしています。

また、この1年間の預け入れで赤ちゃんの父親のみが慈恵病院を訪れたことがあったとし、自分の両親に赤ちゃんの存在を気付かれると暴力を振るわれるなどの不安から預け入れたということです。

■慈恵病院 蓮田健理事長
「男性の責任をよく問われますが、なかなか男性も危機的状況にある。自業自得じゃなくて、追い詰められた状況の方々がお越しになってやはりこれがなければ他に頼ることができない子たちが少数ながらいるということを痛感するわけでして、それだけにその存在意義は手前みそですけど大きい」

また蓮田理事長は全国での赤ちゃんポストの開設については行政からの支援や連携がなければ難しいとし、法整備されるには時間がかかるのではと見通しを語りました。

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