高さ70mで「下が透けている」あなたの知らない"造船所"大スケールな内部に潜入
長洲町の巨大造船所に永島由菜キャスターが潜入しました。「大人の社会科見学」、何もかもがスケール違いの大きさでした。
■永島由菜キャスター
「玉名郡長洲町にやってきました。あの大きなクレーンを見ると、長洲町にやってきたなという気持ちになりますよね。さて今回は、普段は絶対に入ることができない!大人の社会科見学ということで、あちらの造船所に潜入したいと思います。それでは行ってきます!」
潜入したのは、ジャパンマリンユナイテッド有明事業所。日本最大級の造船所です。敷地は約100万平方メートルで、サッカーコート140面分もあります。造船所の中には至るところに船のパーツが。ここで全長300メートル級の船を年間9隻前後建造し、世界中の船主へ納めています。
■永島由菜キャスター
「今回案内していただくのは、上村さんです。上村さんは船が好きで入社されたんですか?」
■上村航大さん
「そうですね。大きいものが好きで、船が好きだったので入社しました」
さっそく、普段目にすることがない車両がありました。
■上村航大さん
「まずは自走台車から紹介させていただきます」
■永島由菜キャスター
「大きい!どこで運転しているんですか?」
■上村航大さん
「左手にある運転席から運転しています」
船のパーツを運ぶ特殊車両「自走台車」。全長28メートル、幅は8メートルあり、最大850トンのパーツを運ぶことができます。排気量は1300万ccもあります。
さっそく、造船所のスケールの大きさを感じられました。続いて向かったのは切断や組み立てを行う工場。その中でも特に職人技が必要だという「ぎょう鉄」という工程を見せてもらいます。
■永島由菜キャスター
「ホースみたいなもので水を出していますけど」
■上村航大さん
「通常は機械で板を曲げていくんですけども、船の一番前や一番後ろは曲がりが3次元的な曲がりになっていて、機械では曲げられないところがあります。そこで職人がバーナーで熱して鉄板を膨張させます。そして冷水をかけることで急激に冷やすことで収縮する。それを応用して3次元の曲がりをこの作業で行っています。感覚で焼いていかなければいけないので、一人前になるのに約10年かかると言われています」
炎の温度は900℃にもなるそうです。入社15年の德永さん、「ぎょう鉄」の面白さとは?
■德永博紀さん
「こうやって焼きなさいとか、こうすればこういう形になるっていう基準とかがないので、自分たちの経験と能力、センスで曲げていく感じです」
巨大な船は、熟練の職人技で作られていました。
そして、造船所の中で一番目立つ、アノ場所へ。ゴライアスクレーンです。最大1200トンものパーツを吊り上げることができます。
■永島由菜キャスター
「近くで見ると本当に高いですね」
■上村航大さん
「高さが70メートルあって、長洲町を一望できる高さになっています」
さらに驚くのは、その運転席の場所。
■上村航大さん
「黄色と黒の縞々で出っ張っているところが運転席になります」
■永島由菜キャスター
「あんな所に⁉運転席あるんですか?すごい!」
■上村航大さん
「あそこまで今から行ってみませんか?」
■永島由菜キャスター
「いいんですか?私たち」
■上村航大さん
「行きましょう」
クレーン内部にある階段とエレベーターを使って、いざ70メートル地点へ!しかし、登ったと思ったら、急な階段を下りて運転席へ。
■永島由菜キャスター
「ここから下りるってすごくないですか?この角度。操縦される方は日々この階段を登り下りして」
■上村航大さん
「運転席に到着しました。地上70mです」
■永島由菜キャスター
「こじんまりとした部屋ですけど。おぉ、(床が)透けてる。透けてます!ちょっと怖いです」
巨大なクレーンのオペレーター、村上領一さんに仕事の様子を見せてもらいます。重さ480トンのパーツがゆっくりと持ち上がりました。地上にいる職員と無線で位置を確認しながら、建造中の船へパーツを移動させます。
■村上領一さん
「もうちょい下がるよ。1、2、3。2ノッチ。スライド」
僅かな移動でも、地上ではパーツが大きく揺れることもあります。神経を研ぎ澄ましての操作が必要です。30分かけて、指定された位置にピッタリ降ろされました。
■村上領一さん
「最後の段階はちょっとずつですね。もう20ミリとか」
■永島由菜キャスター
「20ミリ?それって下にいる人の声頼みですか?」
■村上領一さん
「そうです。信頼して。合図者との連絡を密にとって、一緒にやるってことですかね」
それぞれの部門で仲間と連携しながら完成する巨大な船。造船所で働く1人ひとりの思いを乗せてもうすぐ大海原に出航します。