「もう人生終わったと…」39歳で若年性認知症になった男性 いまは前向きな思いを全国で講演 大分
39歳で若年性認知症と診断された男性が実体験をもとに認知症との向き合い方について語る講演会が、8日大分県別府市で開かれました。
◆丹野智文さん
「認知症の予防はできない。でも備えることはできる」
「今を大切に生きることが、認知症になってからもよりよく生きることにつながると思う」
講演を行ったのは宮城県仙台市の会社員・丹野智文さん(50)です。
丹野さんは自動車販売会社のトップ営業マンとして働いていた39歳の時に若年性アルツハイマー型認知症と診断されました。
◆丹野智文さん
「まさか自分が病気だとは思っていなくて。もう人生終わったと思った」
身近な存在であるはずの会社の同僚の顔がわからなくなり、ショックだったという丹野さん。ただ、認知症の当事者と関わる中で次第に前向きに向き合っていけるようになったといいます。
◆丹野智文さん
「俺の方が若いのに、なんでうじうじしているんだろうと思って(前向きになった)。1人でもいいから元気になってほしいと思って活動している」
全国で講演する中で伝えたいことは「当事者自身が自立すること」。
病気が進行していく中でもスマートフォンを活用するなどの工夫しながら暮らしているといいます。
◆丹野智文さん
「きのうの晩御飯を忘れてしまったことを悲しむよりも、きょうの晩御飯が何かワクワクする気持ちを大事にしている」と話す丹野さん。
講演会に訪れた人達はその前向きな姿に勇気づけられているようでした。