野田氏「真摯な言葉で建設的な議論を…」安倍元首相の追悼演説 辞任の山際議員は…
「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”をめぐる問題で、山際経済再生担当相が辞任したことについて、岸田首相は25日、国会で陳謝しました。後任には説明能力の高さなどを重視し、後藤茂之前厚生労働相を起用することが発表されました。こうした中、国会では立憲民主党の野田元首相が安倍元首相に対する追悼演説を行いました。
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25日、安倍元首相の追悼演説が本会議で行われました。演説は、昭恵夫人も傍聴。安倍元首相の遺影を手に見守りました。
追悼の言葉を述べたのは、立憲民主党の野田元首相です。
立憲民主党 野田佳彦元首相(25日午後1時すぎ)
「安倍さん、あなたはいつの時も手ごわい論敵でした。いや、私にとっては仇のような政敵でした。最も鮮烈な印象を残すのは、平成24年11月14日の党首討論でした」
その2012年11月の党首討論では――
野田首相(当時)
「16日に解散をします。やりましょう、だから」
自民党 安倍総裁(当時)
「今、総理、16日に選挙をする。それ、約束ですね? 約束ですね? よろしいんですね?」
2人は首相経験者として、火花を散らしてきました。
立憲民主党 野田佳彦元首相
「安倍さん、あなたの政治人生の本舞台は、まだまだこれから先の将来にあったはずではなかったのですか。再びこの議場で、あなたと言葉と言葉、魂と魂をぶつけ合い、火花散るような真剣勝負を戦いたかった。勝ちっ放しはないでしょう、安倍さん」
立憲民主党 野田佳彦元首相
「長く国家のかじ取りに力を尽くしたあなたは、歴史の法廷に永遠に立ち続けなければならない運命です」
「安倍元首相の功罪は、歴史の中で検証され続けるだろう」とも述べた野田元首相。
立憲民主党 野田佳彦元首相
「最後に議員各位に訴えます。政治家の握るマイクには、人々の暮らしや命がかかっています」
最後に訴えたのは、政治家の言葉についてです。
立憲民主党 野田佳彦元首相
「真摯(しんし)な言葉で建設的な議論を尽くし、民主主義をより健全で強靱(きょうじん)なものへと育てあげていこうではありませんか」
山際氏には、どう響いたのでしょうか。
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山際氏の後任に選ばれたのは、岸田政権で厚生労働相を務めた後藤茂之氏です。25日午前、カメラの前でご機嫌な様子でした。
新経済再生相 後藤茂之議員
「ここでゆっくりしゃべってると、怒られちゃう。『すぐに来い』と言われたから」
その後、後藤氏は25日正午ごろ、首相官邸へ向かいました。
岸田首相は起用の理由について、「説明能力の高さなどを重視した」と説明しています。
新経済再生相 後藤茂之議員
「旧統一教会との関係を断つという内閣の方針に従って、当然、私自身もそういうことで進めていきたい。私自身は報告を党に出している通りであります」
後藤氏は「教団との接点はない」としています。
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教団の解散命令請求につながる可能性もある「質問権の行使」について、政府は検討を進めています。質問権はこれまでに使われた例がないため、行使する場合の基準などを検討するための会議が25日から始まりました。文化庁は、年内中に質問権を行使する方向で作業を進める考えです。
長引く“統一教会”問題、山際氏が辞任しても、閣僚らには説明が求められます。