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岸田首相「国賓待遇」でのアメリカ訪問…同行記者がみた7つの「異例」

2024年4月14日 7:00
岸田首相「国賓待遇」でのアメリカ訪問…同行記者がみた7つの「異例」

岸田首相の「国賓待遇」でのアメリカ訪問。通常のアメリカ訪問とは違う、同行記者がみた7つの「異例」の光景とは。

■首相の米国「国賓待遇」での訪問…7つの「異例」

「異例ずくめ」のアメリカ訪問だった。岸田首相は去年も4回、アメリカを訪問しているが、「国賓待遇」での訪問は景色が違った。30年以上の外交経験を持つ外務省幹部も「何度も首相訪米はきているが、こんなのは最初で最後では」と漏らす異例の日程だった。5泊7日の日程を終え、首相はアメリカを出発。同行記者がみた、その光景とは。

■異例1.お出迎えの「異例」…儀仗隊に音楽隊、赤絨毯も

アメリカ到着時から、景色がいつもと違った。政府専用機が空港に着くと待っていたのは、儀仗隊に音楽隊、タラップの前には赤絨毯が敷かれた。通常訪問ではない「おもてなし」だった。

専用機前方に用意された赤絨毯は、岸田首相夫妻のために用意されたもので、普段は首相と一緒に前方から降りる総理秘書官らも、今回は専用機の後方から降りざるをえない事態に…。

■異例2.宿泊はブレアハウス…異例の「大統領迎賓館」

首相のワシントン通常訪問時は、ホワイトハウスすぐ近くのホテルが多い。しかし、今回は違った。空港から向かったのは、ホワイトハウス横にある大統領迎賓館「ブレアハウス」。裕子夫人と宿泊した。

■異例3.首相が米大統領専用車ビーストに異例の「相乗り」

9日の夕食会。ホワイトハウスからの移動に、バイデン大統領は専用車「ビースト」に首相を誘い、異例の両トップの「相乗り移動」となった。車内で満面の笑みをみせた2人。首相はNNNの単独インタビューで「頑丈な車だった」と感想を漏らした。

■異例4.市内のレストランで日米両夫妻が食事

異例の相乗りで向かった先も「異例」だった。「2日連続でホワイトハウスは…」というジル夫人の気遣いで、夕食は急きょ、バイデン夫妻“いきつけ”の市内のレストランへ。両夫妻は、名物のカニを使ったクラブケーキを満喫したという。

■異例5.5泊7日のアメリカ滞在…異例の「長期出張」

首相のアメリカ訪問日程は、通常ワシントンのみでとんぼ返りが多い。去年8月の日米韓首脳会談でのワシントン滞在は1泊3日と“弾丸日程”だった。しかし、今回は「国賓待遇ということもあり、行事が多く、ゆったりした日程だった」(外務省幹部)というように、5泊7日と、首相のアメリカ出張としては「異例の長さ」となった。

■異例6.ワシントン訪問後…異例の「地方視察」

異例は滞在日程だけでなく、訪問先も。首相がワシントンの後に訪れたのはノースカロライナ州。9年前の安倍首相(当時)も国賓待遇訪問の時は地方視察をいれたように、「国賓待遇では地方視察をいれるのが通例」だという。国会会期中にもかかわらず、ワシントン日程を終え地方視察もいれたのは、「国賓待遇ならではのスケジュール」(同行筋)だったといえる。

■異例7.7日間海外出張なのに…異例の「内外記者会見」なし

最後の異例は「内外記者会見」なし。首相の海外訪問時は、締めくくりに外国プレスも入れた形で「内外記者会見」が行われるのが通例。しかし、今回は長い日程だったにもかかわらず、開かれる事はなかった。同行筋は「共同会見は行った。内外会見はスケジュールとタイミングが合わなかった」と説明しているが、長期滞在なのに、内外記者会見がないという「異例の形」となった。

帰路の飛行機では、長旅の疲れも見せずに首相は同行スタッフらをねぎらっていた。帰国してからは「日本の国会ではこんな拍手はない」と米議会で演説し笑いをとった、“拍手のない”厳しい日本の国会が待ち構えている。