【解説】“もしトラ”を意識? 岸田首相が建設中のトヨタ工場視察 バイデン政権へ気遣いも
アメリカでの首脳会談など終えた岸田首相は12日、建設中のトヨタの工場を視察しました。大統領選挙でトランプ氏が勝利した場合の“もしトラ”を意識した動き。バイデン政権からの印象は悪くならないのでしょうか。政治部の平本典昭記者の報告です。
政治部官邸キャップ 平本典昭氏
「私が今いるのは、トヨタ自動車の建設中の工場の前です。電気自動車などに載せる電池の工場で、岸田首相は1時間ほど前にこちらを視察しました」
中島芽生キャスター
「なぜ、トヨタの工場なんでしょうか?」
平本キャップ
「目的は、日本企業がアメリカ経済に貢献していることをアピールするためです。この工場は完成すれば、5000人もの雇用を生むといいます。11月の大統領選でもしトランプ氏が勝利すれば、日本にアメリカでの雇用創出を強く求めてくる可能性があります。ですので、雇用の創出はトランプ氏勝利に対する『備え』の意味合いがあり、ある外務省関係者は『“もしトラ”を意識したメッセージとなる』と狙いをかたっています」
中島キャスター
「ただ、11日まではバイデン大統領と親密さをあれだけアピールしていただけに『調子がいい』というふうには思われないんでしょうか?」
平本キャップ
「そう思われないように、あくまで、今の政権というのは民主党のバイデン政権ですから、トランプ氏勝利を前提にした動きとみられれば『失礼』にあたります。そこはちゃんと手を打っているようです。まず、岸田首相は『誰が大統領かは関係なく、日本企業による雇用創出は、アメリカ経済への貢献となる』と党派は関係ないと強調しています。さらに、バイデン政権が脱炭素化を目玉政策として打ち出す中、電気自動車などの電池工場は、日本政府としてもバイデン政権を後押しする形にもなります。ある政府関係者は『どちらが大統領になっても経済分野での日米の連携強化を示す場所になる』と両にらみの戦略であることを明かしています」
(4月12日放送『news zero』より)