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岸田首相の議会演説…議員から好評の一方、ウクライナ支援には共和党から冷めた反応

2024年4月13日 8:53
岸田首相の議会演説…議員から好評の一方、ウクライナ支援には共和党から冷めた反応

岸田首相の米議会での演説。参加議員からは概ね高評価の声も聞かれたが、特にウクライナ支援を訴えた場面では共和党議員から冷めた反応も。

■首相の議会演説…スタンディングオベーションは十数回

日本の首相としては9年ぶり2人目となる、米上下両院合同会議での議会演説。35分のスピーチを英語で行い、議員が起立して賛意を送る十数回のスタンディングオベーションを受けた。終了後、議員から首相は記念撮影やサインを求められる姿も見られた。演説はどう受け止められたのか?

■会場の米議員からは高評価…一方で、厳しい意見も

会場で演説を聞いた議員らからは…。

共和党 アンディ・バー下院議員「アメリカが単独で行動することを求められることはないというメッセージは、民主主義を単独で守るという責任を負いたくないと思うアメリカ人の心に響く」

共和党 ナサニエル・モラン下院議員「(岸田首相は)日本とアメリカのようなパートナーシップが自由と民主主義のために共に立ち上がることがこの世界に必要だということを思い出させてくれた」

取材に応じた議員からは概ね好意的な反応が示された。一方、首相が「アメリカのウクライナ支援」に言及した場面で、支援に慎重な野党・共和党員は拍手をしなかった。米議会の「分断」が浮き彫りになった形だ。

■首相の議会演説…専門家「共和党員の共感を得られたか?」

演説の評価について、米国政治に詳しい明海大学の小谷哲男教授は「ポイントは議会の半分を占める共和党と、トランプ支持層が多い党員にいかにアピールするか。ルールに基づく国際秩序に関心のない人たちに、ルールの重要性を説けば、民主党と同じと見られてしまう」と言及。さらに、ウクライナ支援については「単に支援を続けるという言い方ではなく、アメリカ国内産業の利益と雇用を生み出すからと言えれば…」と指摘した。

政府関係者からは「歴史的な演説だった。日米同盟の強固さを米議会で超党派でアピールできた」と評価する声が相次いだ。一方で、政府関係者の1人は「9年前の安倍首相演説と比べると、アメリカへの“寄り添い”を意識しすぎるあまり、中国・ロシアを批判し、さらなる分断を生みかねない中身となっている」と指摘した。

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