「所得倍増に命がけで取り組む」 加藤元官房長官に密着取材 上川外相にも大きな動き
告示日が12日に迫った自民党総裁選挙。10日に出馬会見を開いた加藤元官房長官を密着取材しました。そしてギリギリまで出馬を模索してきた上川外相にも大きな動きがありました。
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8月、岡山県のあるお寺。多くの人が座禅を組む中、メガネを外し参加していたのは加藤勝信元官房長官です。
20年以上続けているという座禅。毎年恒例の座禅を組み、心静かに思いをはせていたのは総裁選の行方でしょうか。
この時、こう語っていました。
加藤元官房長官(8月)
「いろんな方々のお話を聞きながら、しっかり(出馬するか)判断していきたい」
それから、約1か月たった10日朝…
娘
「今日は記者会見の朝です、どうですか心境は」
加藤元官房長官
「みんなも手伝ってくれて、本当にありがたく思っています。でもちょっと寝不足かな」
娘に見送られ自宅を出る加藤氏。
娘
「バイバイ、がんばって~」
ついに出馬を表明しました。
加藤元官房長官
「国民の所得倍増に私は命をかけて取り組んでまいります」
スローガンは「ニッポン総活躍プラン」。
最優先課題として「国民の所得倍増」を打ち出し、国内投資の促進や少子化対策に力を入れると強調しました。
総裁選で大きなテーマとなっている“裏金議員”については…
加藤元官房長官
「私はそれぞれの議員に対して説明責任を果たすよう、徹底して働きかけをするつもりであります」
さらに、いわゆる“裏金”について「国庫返納を検討すべきだ」などと主張しました。
“保守的”な立場で知られる加藤氏。選択的夫婦別姓の導入については「慎重な姿勢」を示しました。
これまで官房長官や厚生労働大臣など閣僚を歴任し、「安定感」に定評のある加藤氏。陣営幹部も「経験があるのでしっかり中身のある話ができる」と話しています。
一方で課題は「知名度の低さ」。そこで始めたのがSNS向けの動画撮影です。
加藤元官房長官
「それちゃんと撮っているの? それで」
娘
「今から撮るの。後ろの背景映したくないのある?」
加藤元官房長官
「大丈夫じゃない?」
娘
「OK!」
娘のアドバイスで発信に力を入れるなど、知名度アップに取り組んでいます。
娘
「髪形とかスーツとか革靴に時間かけてケアしたりするの何で?」
加藤元官房長官
「髪形はやっぱり髪の毛が濃いから、濃いというか硬いから」
娘
「たわしだから」
党員や議員の支持をどこまで広げられるかが課題です。
こうした中、先ほど初の女性首相を目指す“この人”に動きが…
上川外相
「20名、推薦人が集まり、そして12日に今回の総裁選に立候補することができます!」
上川外相が11日、出馬会見を行うと明言しました。
出馬に必要な20人の“推薦人の壁”に苦しんでいた上川氏。告示日の2日前、“ギリギリ”のタイミングで、ようやく名乗りを上げました。
“史上最多”9人以上が争う構図となった自民党総裁選。12日に選挙戦の火ぶたが切られます。