2023年版外交青書 国際社会は「歴史の転換期」
日本の外交の取り組みについてまとめた外交青書が閣議で報告されました。2023年版の外交青書では、今の国際社会は「歴史の転換期にある」と指摘しています。
今年の外交青書では、中国など新興国の台頭によって国家間競争が激しさを増し、アメリカや日本などがリードしてきた国際協調の潮流は弱まったと指摘しています。こうしたことから、国際社会は「歴史の転換期」にあると指摘しています。
また、ロシアによるウクライナ侵攻について「ポスト冷戦期が終焉(しゅうえん)したことを象徴するもの」としています。
一方、中国については、昨年末に改定した国家安全保障戦略に合わせて「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と位置付けました。また、日本の周辺でロシアと連携して軍事活動を活発化させたことに対し、「安保上の強い懸念」を表明しています。
また、「グローバルサウス」と呼ばれる、新興国・途上国についての記述を初めて盛り込みました。「グローバルサウス」の国々は、ロシアによるウクライナ侵攻に関連した国連総会の決議で棄権をするなど、欧米とも中国・ロシアとも一定の距離を取っています。
外交青書では、これらの国々について「存在感が増している」と指摘していて、「できるだけ多くの国と連携していくことが極めて重要である」としています。